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収益性・収支

建物価格を設備に按分すると税引後IRRは上がるのか|効果のピークは保有6年、按分30%が逆効果になるのは課税所得87万円未満だった

建物価格を設備に按分すると税引後IRRは上がるのか|効果のピークは保有6年、按分30%が逆効果になるのは課税所得87万円未満だった

中古の収益物件を買うと、売買契約書には多くの場合「土地いくら・建物いくら」までしか書かれていません。ところが税法上、建物はさらに建物本体と建物附属設備(電気設備、給排水・衛生設備、ガス設備など)に分かれていて、法定耐用年数が別に定められています。建物本体は構造によって22年〜47年、建物附属設備は15年です。

この差が中古取得では大きく開きます。耐用年数を簡便法で短縮すると、たとえばRC造築20年では建物本体が31年、建物附属設備は3年になります。年間の償却率にすると10.3倍の違いです。つまり建物価格の一部を設備に振り替えるだけで、償却を何年も前倒しできることになります。

では、その前倒しは本当に手残りを増やすのでしょうか。償却を前に寄せれば、後ろの償却は薄くなり、売却時の未償却残高も小さくなって譲渡益が増えます。「早く引ける」ことと「最終的に得をする」ことは別の話です。

この記事では、RC造築20年の一棟マンションを想定した架空ケースで、建物取得価額のうち設備に按分する比率を0%・10%・20%・30%と変え、年次の税引後キャッシュフロー・10年累計の税額・売却時の譲渡税・税引後IRRを実際に計算しました。さらに課税所得・保有年数・個人/法人の3つの軸で、効果がどこで最大になり、どこで消え、どこで逆効果になるかを逆算しています。

結果の先取りです。設備按分20%は初年度の税引後キャッシュフローを年63万円増やしますが、設備の償却が切れる4年目に86万円(▲52%)落ちます。純効果が最大になるのは保有6〜7年で、20年保有では名目の合計がマイナスに転じました。そして按分30%が按分なしを下回るのは、他の所得の課税所得が約87万円を割ったときでした。

指標の定義は収益物件の収支計算完全ガイド、税金の全体像は不動産投資の税金 完全ガイドで扱っています。土地と建物の比率をどう決めるかという前段の論点は建物比率を上げると税引後IRRは上がるのかで検証済みで、本記事はその建物の内側をさらに分ける話です。以下の金額はすべて、条件を固定したシミュレーションと架空ケースです。実在する物件の統計やRE-AIの診断実績データではありません。耐用年数・償却方法・税率は国税庁および財務省の公開資料にもとづいています。

この記事で検証する疑問

  • 建物価格を建物附属設備に按分すると、償却はどれだけ前倒しになるのか(構造別・築年数別)
  • 年次の税引後キャッシュフローは、いつ増えていつ落ちるのか
  • 10年保有の税引後IRRは、按分比率でどこまで変わるのか
  • 売却時の譲渡税の増加で、前倒しの効果はどこまで打ち消されるのか
  • 効果が最大になる保有年数は何年か
  • 按分が逆効果になるのは、課税所得がいくら以下のときか
  • 法人で持つ場合、結論はどう変わるのか
  • そもそも中古物件で設備按分の根拠を立てられるのは、築何年までか

前提となる法令の整理

先に、計算の土台になる3つのルールを確認します。いずれも推計ではなく、公開されている法令・通達の内容です。

① 法定耐用年数は建物本体と建物附属設備で別

国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」では、住宅用の建物本体が木造・合成樹脂造22年、金属造(骨格材の肉厚4mm超)34年、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造47年です。一方、建物附属設備のうち電気設備(蓄電池電源設備以外)と給排水・衛生設備・ガス設備はいずれも15年です。構造別の耐用年数そのものは木造とRCで年間減価償却費はどれだけ違うかで詳しく扱っています。

② 中古取得の耐用年数は簡便法で短縮され、本体と設備に別々に適用される

中古資産の耐用年数は、使用可能期間の見積りが困難な場合、簡便法で算定できます(国税庁タックスアンサーNo.5404)。法定耐用年数の全部を経過した資産は「法定耐用年数×20%」、一部を経過した資産は「(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%」で、1年未満は切捨て、2年未満となる場合は2年です。この計算は建物本体と建物附属設備にそれぞれ別に適用されます。法定15年の設備は築15年を過ぎると全部経過となり、簡便法で一律3年になります。

③ 平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備は定額法のみ

かつて建物附属設備は定率法を選べましたが、平成28年度税制改正で廃止され、現在は定額法のみです(国税庁タックスアンサーNo.5409-2)。したがって設備に按分しても、初年度に大きく償却が立つ定率法の効果は得られません。得られるのは耐用年数が短いことだけです。ここを混同した説明が多いので、計算では定額法で統一しています。

按分でどれだけ前倒しになるのか(法令計算)

まず金額を置く前に、簡便法だけで決まる償却年数を見ます。下の表は中古取得時の償却年数で、左が建物本体、右が建物附属設備です。

構造(法定耐用年数)

築5年

築10年

築15年

築20年

築25年

築30年

木造 住宅用(22年)

18年 / 11年

14年 / 7年

10年 / 3年

6年 / 3年

4年 / 3年

4年 / 3年

金属造4mm超(34年)

30年 / 11年

26年 / 7年

22年 / 3年

18年 / 3年

14年 / 3年

10年 / 3年

RC・SRC(47年)

43年 / 11年

39年 / 7年

35年 / 3年

31年 / 3年

27年 / 3年

23年 / 3年

年間償却率の比(設備÷本体)に直すと、築15年でどの構造も最大になります。木造3.33倍、金属造7.33倍、RC造11.67倍です。設備の法定耐用年数15年をちょうど超えて3年に落ちる一方、本体にはまだ年数が残っているためです。

次に、この年数差が実際の償却額にどう効くかを見ます。按分比率を20%に固定し、建物取得価額1,000万円あたりで、按分なしと比べた累計償却額の増加分(前倒し額)を計算しました。金額を1,000万円あたりに揃えているのは、この部分が建物価格に単純比例するためです。

構造 / 期間

築5年

築10年

築15年

築20年

築25年

築30年

木造 3年目まで

21.2万円

42.9万円

140.0万円

100.0万円

50.0万円

50.0万円

木造 5年目まで

35.4万円

71.4万円

100.0万円

33.3万円

0万円

0万円

木造 10年目まで

70.7万円

57.1万円

0万円

0万円

0万円

0万円

金属造 3年目まで

34.5万円

62.6万円

172.7万円

166.7万円

157.1万円

140.0万円

金属造 5年目まで

57.6万円

104.4万円

154.5万円

144.4万円

128.6万円

100.0万円

金属造 10年目まで

115.2万円

123.1万円

109.1万円

88.9万円

57.1万円

0万円

RC造 3年目まで

40.6万円

70.3万円

182.9万円

180.6万円

177.8万円

173.9万円

RC造 5年目まで

67.7万円

117.2万円

171.4万円

167.7万円

163.0万円

156.5万円

RC造 10年目まで

135.3万円

148.7万円

142.9万円

135.5万円

125.9万円

113.0万円

ここで一つ、一般的な説明では見落とされる点が出ます。木造では10年保有すると前倒し額がゼロになります。築15年の木造なら本体も10年で償却し切るため、10年時点の累計償却額は按分してもしなくても同じです。木造築25年以上では5年目でもう差が消えます。つまり木造の設備按分は「3年以内に効く一時的な前倒し」であって、10年単位では何も変わりません。

逆にRC造は、本体の償却年数が長いため10年目でも113万〜149万円の差が残ります。設備按分が意味を持つのは、ほぼ本体の耐用年数が長い構造に限られることになります。以降はRC造を基準ケースにして、金額のついた検証に入ります。

前提条件(架空ケース)

検証対象をRC造築20年の一棟マンションにしたのは、上の表で設備按分の効果が10年単位で残り、かつ設備が簡便法で3年に落ちる築年数帯だからです。この帯は「前倒しの効果が最大になる場所」であり、同時に後述する実務上の制約が最も厳しくなる場所でもあります。両方を同時に確認できるのがこの築年数です。

物件規模は、地方中核都市で12戸・専有45㎡前後・賃料6.5万円という水準から逆算しました。満室想定家賃936万円に対して表面利回り9.00%、すなわち価格1億400万円です。この価格を選んだ理由は、築20年のRC一棟が地方の金融機関で25年融資を受けられる現実的な下限規模にあたり、かつ按分比率を変えたときの税額差(数百万円単位)が投下自己資金に対して意味のある大きさで現れるためです。価格そのものは本記事の検証対象ではないため、以降の結論は規模に比例する部分を除けば価格帯を変えても方向は変わりません。

項目

設定

根拠・補足

物件

RC造 築20年 一棟マンション 12戸

専有45㎡前後・賃料6.5万円/戸を想定

物件価格

1億400万円

満室家賃936万円/表面利回り9.00%

仲介手数料

318万円(取得価額に算入)

価格×3%+6万円

取得価額合計

1億718万円

価格+仲介手数料

土地/建物の按分

土地4,823万円(45%)/建物5,895万円(55%)

固定資産税評価額比を想定

空室・滞納率

7%

年間運営費(初年度)

276万円

管理委託料・固都税・保険・共用光熱・EV保守・日常修繕の合計

初年度NOI

594.5万円

NOI利回り5.72%/満室家賃に対するNOI率63.5%

借入

8,320万円(LTV80%)・金利2.2%・25年

元利均等

年間返済額

433.0万円

初年度DSCR 1.373

初年度に必要経費となる取得時費用

555万円

不動産取得税138万+登録免許税等228万+融資事務手数料183万+印紙6万

諸費用合計

873万円(価格の8.39%)

仲介手数料318万+上記555万

投下自己資金

2,953万円

頭金2,080万+諸費用873万

家賃下落/運営費上昇

年0.5%/年1.0%

償却年数

建物本体31年/建物附属設備3年

簡便法・定額法

保有期間

10年

出口利回り

6.32%(取得時5.72%+0.60pt)

売却費用4%

売却価格

8,395万円(取得価格比▲19.3%)

10年目NOI 530.2万円÷6.32%

所有形態

個人(青色申告・事業的規模/65万円控除)

12戸なので5棟10室基準を満たす

譲渡税率

長期20.315%/短期39.63%

諸費用8.39%は不動産投資の諸費用は本当に7%なのかで積み上げた8.0〜9.2%の範囲内、融資事務手数料2.2%の定率型は「金利0.3pt引下げ」と「事務手数料2.2%」はどちらが得かと同じ設定です。家賃下落年0.5%はRC造を想定した水準で、根拠は家賃下落「年1%」は、どこで1%なのかで比較した2つの下落カーブのうち緩い側に寄せています。

固定する条件:物件価格、満室家賃、空室率、運営費、借入条件、家賃下落率、運営費上昇率、出口利回り、保有年数、土地建物の按分比率。変更する条件:建物取得価額のうち建物附属設備に按分する比率(0%・10%・20%・30%)、他の所得の課税所得、保有年数、所有形態(個人/法人)。

年次の税引後キャッシュフロー:増える3年と落ちる4年目

まず、他の所得の課税所得を600万円(会社員で給与収入900万円前後に相当する水準)として、按分0%と20%の年次を並べます。税額差は「物件があることで増減した所得税・住民税」で、マイナスは損益通算によって税が減ったことを意味します。

年

NOI

返済

税引前CF

按分0% 償却

按分0% 不動産所得

按分0% 税額差

按分0% 税引後CF

按分20% 償却

按分20% 不動産所得

按分20% 税額差

按分20% 税引後CF

差

1年

594万円

433万円

162万円

190万円

▲331万円

▲76万円

238万円

545万円

▲686万円

▲139万円

300万円

+63万円

2年

587万円

433万円

154万円

190万円

222万円

50万円

105万円

545万円

▲133万円

▲18万円

172万円

+68万円

3年

580万円

433万円

147万円

190万円

221万円

49万円

98万円

545万円

▲134万円

▲18万円

165万円

+67万円

4年

573万円

433万円

140万円

190万円

220万円

49万円

91万円

152万円

258万円

62万円

79万円

▲13万円

5年

566万円

433万円

133万円

190万円

219万円

48万円

85万円

152万円

257万円

61万円

72万円

▲13万円

6年

559万円

433万円

126万円

190万円

218万円

48万円

78万円

152万円

256万円

61万円

65万円

▲13万円

7年

552万円

433万円

119万円

190万円

217万円

48万円

71万円

152万円

255万円

61万円

58万円

▲13万円

8年

545万円

433万円

112万円

190万円

216万円

48万円

64万円

152万円

254万円

60万円

51万円

▲13万円

9年

537万円

433万円

104万円

190万円

215万円

47万円

57万円

152万円

253万円

60万円

44万円

▲13万円

10年

530万円

433万円

97万円

190万円

215万円

47万円

50万円

152万円

253万円

60万円

37万円

▲13万円

読み取れることは3つあります。

第一に、増える期間は3年しかありません。設備1,179万円を3年で償却するため、1〜3年目の償却費は545万円(按分なしは190万円)になります。この間の税引後CFは年63〜68万円多く、3年間の合計で198万円です。

第二に、4年目に段差が来ます。設備の償却が終わると償却費は152万円に落ち、税引後CFは3年目165万円から4年目79万円へ86万円(▲52.4%)下がります。按分なしの同じ年の落ち込みは▲7万円です。按分は段差を作る行為でもあります。この段差の本質は減価償却が終わった年、税引後CFは93万円減ったで扱った現象と同じで、設備按分はそれを前に引き寄せます。デッドクロスの発生時期そのものについてはデッドクロスは何年目に来るのかで検証しています。

第三に、2〜3年目の節税は期待より小さく出ています。按分20%の2年目は不動産所得が▲133万円の赤字ですが、税額差は▲18万円しかありません。赤字のうち土地等を取得するための負債利子に相当する部分は損益通算できないためです(国税庁タックスアンサーNo.1391)。本ケースでは借入8,320万円の45%が土地対応で、1年目の土地負債利子は81.2万円。赤字をこの金額まで深くしても、給与所得と相殺できる部分は増えません。仕組みは不動産投資の損益通算とはで解説しています。

つまり設備按分は「不動産所得を赤字にすればするほど得」という単純な構造ではありません。黒字を薄くする局面では満額効きますが、赤字に踏み込んだ後は土地負債利子の分だけ効きが落ちます。

課税所得で結果はどこまで変わるか

次に、他の所得の課税所得を300万円・600万円・1,500万円に変えて、按分比率別の10年累計と税引後IRRを比較します。売却時の譲渡益は按分比率によって変わるため、譲渡税も並べています。

課税所得

按分

10年累計償却

10年累計所得税等

10年累計税引後CF

10年後の譲渡益

譲渡税

売却手取り

税引後IRR

按分0%との差

300万円

0%

1,902万円

348万円

946万円

▲757万円

0万円

2,532万円

1.963%

―

300万円

10%

2,301万円

267万円

1,027万円

▲358万円

0万円

2,532万円

2.302%

+0.34pt

300万円

20%

2,700万円

259万円

1,036万円

+41万円

8万円

2,523万円

2.325%

+0.36pt

300万円

30%

3,100万円

184万円

1,110万円

+441万円

89万円

2,442万円

2.354%

+0.39pt

600万円

0%

1,902万円

359万円

936万円

▲757万円

0万円

2,532万円

1.935%

―

600万円

10%

2,301万円

267万円

1,027万円

▲358万円

0万円

2,532万円

2.324%

+0.39pt

600万円

20%

2,700万円

250万円

1,044万円

+41万円

8万円

2,523万円

2.387%

+0.45pt

600万円

30%

3,100万円

148万円

1,146万円

+441万円

89万円

2,442万円

2.556%

+0.62pt

1,500万円

0%

1,902万円

492万円

802万円

▲757万円

0万円

2,532万円

1.446%

―

1,500万円

10%

2,301万円

336万円

958万円

▲358万円

0万円

2,532万円

2.106%

+0.66pt

1,500万円

20%

2,700万円

268万円

1,026万円

+41万円

8万円

2,523万円

2.397%

+0.95pt

1,500万円

30%

3,100万円

112万円

1,182万円

+441万円

89万円

2,442万円

2.830%

+1.38pt

注目すべきは譲渡益の列です。按分なしでは10年後に▲757万円の譲渡損が出ます。RC造の本体償却は31年と長く、10年経っても建物簿価が3,993万円残る一方、物件価格は19.3%下がるためです。按分を増やすと簿価が下がり、按分18.97%で譲渡益がちょうどゼロになります。それを超えた分から、売却時の譲渡税という「揺り戻し」が始まります。

この構造は重要です。RC造を10年持つ場合、按分19%までは売却時の反動なしで償却を前倒しできることになります。償却で減らした税が売却時に戻ってくる仕組み自体は減価償却で減らした税金は、売却時にいくら返すことになるのかで扱っていますが、本体償却が長い構造では、譲渡損の余白がその戻りを吸収します。

課税所得の効き方も明確です。按分30%にしたときの10年IRR改善幅は、課税所得300万円で+0.39pt、600万円で+0.62pt、1,500万円で+1.38ptでした。限界税率(所得税+復興特別所得税+住民税)がそれぞれ約20.2%・30.4%・43.7%で、長期譲渡税率20.315%との差がそのまま効果になるためです。

そして課税所得300万円の行をもう一度見ると、按分10%(+0.34pt)から30%(+0.39pt)まで、按分を3倍にしても改善幅はほぼ横ばいです。償却の上積みが控除できる所得を超え、青色申告の純損失繰越(3年)でも使い切れずに消えているためです。実際、この水準では1〜3年目の税額差が▲51万円で固定されます。これはその年に本来払う税額そのもので、節税の上限は『その年に払っている税額』だという当たり前の制約が、按分比率の効果に天井を作っています。

逆算①:按分が逆効果になる課税所得

では課税所得をさらに下げると何が起きるか。按分20%・30%について、按分なしとの10年税引後IRR差を細かく追いました。

他の所得の課税所得

按分20%の差

按分30%の差

0万円

+0.04pt

▲0.13pt

50万円

+0.07pt

▲0.06pt

100万円

+0.20pt

+0.02pt

150万円

+0.28pt

+0.07pt

200万円

+0.27pt

+0.12pt

250万円

+0.30pt

+0.28pt

300万円

+0.36pt

+0.39pt

600万円

+0.45pt

+0.62pt

1,000万円

+0.75pt

+0.96pt

1,500万円

+0.95pt

+1.38pt

2,500万円

+1.11pt

+1.74pt

按分30%が按分なしを下回るのは、他の所得の課税所得が約87万円を割ったときでした。この帯では限界税率が約15%(所得税5%×1.021+住民税10%)まで下がり、長期譲渡税率20.315%を下回ります。償却を前倒しして15%で税を減らし、売却時に20.315%で払い直すことになるため、差額が純損になります。

この条件に該当するのは、給与などの他の所得がほとんどなく不動産所得が主たる収入である人、退職後に物件を持った人、すでに他の物件の償却で所得を圧縮しきっている人です。「償却を前倒しできるなら得」という一般論が、この帯だけは逆を向きます。

同じ計算から、課税所得ごとの最適按分比率も出ます(10年税引後IRRが最大になる比率)。

他の所得の課税所得

最適な設備按分比率

そのときのIRR

按分0%との差

0万円

5%

2.707%

+0.10pt

150万円

19%

2.741%

+0.29pt

300万円

29%

2.360%

+0.40pt

600万円

31%

2.556%

+0.62pt

1,000万円以上

計算範囲の上限(40%)

―

+1.06pt以上

課税所得150万円の最適比率19%は、先に見た「譲渡益がゼロになる按分比率18.97%」とほぼ一致します。限界税率が長期譲渡税率に近い帯では、譲渡益を出さない範囲まで按分し、それ以上はしないという線が最適解になるという意味です。

逆算②:効果が最大になる保有年数

次に保有年数を変えます。按分20%と按分なしの差を、保有3年から20年まで計算しました。純効果は「10年累計の所得税等の減少額−売却時の譲渡税の増加額」です。譲渡区分は1月1日基準で、おおむね6年目以降が長期譲渡(20.315%)、5年目までが短期譲渡(39.63%)になります。

保有年数

譲渡区分

按分0%の譲渡益

按分20%の譲渡益

譲渡税の増加

保有中の税額の減少

純効果

税引後IRR差

3年

短期39.63%

▲700万円

+365万円

+145万円

+197万円

+53万円

+0.55pt

4年

短期39.63%

▲720万円

+307万円

+122万円

+185万円

+63万円

+0.51pt

5年

短期39.63%

▲736万円

+253万円

+100万円

+172万円

+72万円

+0.50pt

6年

長期20.315%

▲747万円

+203万円

+41万円

+159万円

+118万円

+0.77pt

7年

長期20.315%

▲755万円

+157万円

+32万円

+146万円

+115万円

+0.66pt

8年

長期20.315%

▲760万円

+115万円

+23万円

+134万円

+110万円

+0.58pt

10年

長期20.315%

▲757万円

+41万円

+8万円

+108万円

+100万円

+0.45pt

12年

長期20.315%

▲742万円

▲19万円

+0万円

+83万円

+83万円

+0.35pt

15年

長期20.315%

▲694万円

▲86万円

+0万円

+45万円

+45万円

+0.22pt

20年

長期20.315%

▲558万円

▲140万円

+0万円

▲19万円

▲19万円

+0.10pt

純効果は保有6年で+118万円がピーク、7年+115万円、8年+110万円と続き、そこから減っていきます。形は山型です。

短い側(3〜5年)で小さくなるのは、短期譲渡税率39.63%のせいです。保有5年までに売ると、前倒しで減らした税の多くを39.63%で払い直すことになり、純効果は72万円まで落ちます。5年目売却と6年目売却の分かれ目そのものは5年目売却と6年目売却で税引後IRRは7.17pt違うで検証していますが、設備按分をしている物件ではこの境界の手前で売ると按分の効果まで削られるという二重の損が発生します。

長い側で小さくなるのは、本体の償却が追いついてくるからです。31年償却の本体は20年で64.5%まで償却が進み、按分していない側の簿価も下がります。20年保有では純効果が▲19万円、つまり名目合計でマイナスに転じました。それでもIRR差が+0.10ptと薄くプラスなのは、減った税が早い年に入る分の時間価値が残るためです。名目の合計とIRRで符号が逆になる区間があることになります。

法人で持つ場合はどうなるか

個人では所得税の累進税率と長期譲渡20.315%の差が効果の源でした。法人は保有中の所得も売却益も同じ法人税等で課税されるため、この税率差がありません。残るのは前倒しの時間価値だけになります。中小法人の実効税率を所得800万円以下24.57%・超過分33.58%として計算しました。

他に所得800万円がある法人

10年累計法人税等

10年後の譲渡益

売却時課税

売却手取り

税引後IRR

按分0%との差

按分0%

577万円

▲757万円

0万円

2,532万円

1.119%

―

按分10%

459万円

▲358万円

0万円

2,532万円

1.603%

+0.48pt

按分20%

365万円

+41万円

14万円

2,518万円

1.960%

+0.84pt

按分30%

279万円

+441万円

148万円

2,384万円

1.850%

+0.73pt

法人では按分20%がピークで、30%にすると効果が落ちます(+0.84pt→+0.73pt)。理由は2つあります。所得800万円の境目を挟んで実効税率が33.58%から24.57%に下がるため、償却を増やしすぎると低い税率で節税することになること。そして譲渡益が441万円出て、同じ法人税等で課税されることです。

他に所得がない法人(物件だけを持つ資産管理法人)では按分20%で+0.72pt、30%で+0.73ptとほぼ並び、こちらも20%前後で効果が飽和します。法人化そのものの判断基準は不動産投資の法人化 完全ガイド、個人から法人への移転は個人の収益物件を法人へ移すのは何年目かで扱っています。

まとめると、法人では「按分しすぎない」ことに意味があり、個人では高所得者ほど按分を増やす意味があるという逆の傾向が出ます。同じ物件でも所有形態で最適な按分比率が変わることになります。

実務の制約:根拠を立てられるのは築何年までか

ここまでは「按分できたとして、いくら得か」の計算でした。最後に、そもそも按分の根拠をどう立てるかという問題を見ます。これが本記事でもっとも実務的な論点です。

建物本体と建物附属設備の区分方法について、国税不服審判所の平成12年12月28日裁決(裁決事例集No.60)は、原処分庁が「区分を明確にできない」として附属設備を建物本体に含めた処理を採用しませんでした。鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションでは両者を別々の耐用年数で償却する必要があるとした上で、請求人が主張した同業他社資料による附属設備30%という割合も「合理性はある」としつつ、建築主が保存していた工事請負契約書の工事費割合をより合理的と判断しています。工事費割合が算出できない場合は、固定資産税評価の再建築費評点基準表による構造別の割合で区分する方法が合理的とされた裁決(平成13年2月19日)もあります。

後者の目安になる数字があります。総務省「固定資産評価のしくみについて(家屋評価)」に掲載された木造住宅の評価例では、「建築設備」の評点が1,903,130点、一棟の再建築費評点数合計が9,778,690点で、割合は19.46%です。本記事で按分20%を中心に検証したのは、この水準を基準に置いたためです。

ところが、同じ平成12年裁決には中古物件の扱いについて重要な補正が書かれています。中古取得分は「新築時から取得時までの損耗を見込み、未償却残高の割合で補正」されました。この補正を機械的に当てると、次のようになります。新築時の工事費割合を設備20%・本体80%として、取得時点の未償却残高割合で按分比率を引き直した表です。

構造

築0年

築5年

築10年

築15年

築20年

築25年

木造(22年)

20.0%

17.7%

13.3%

0%

0%

―

金属造4mm超(34年)

20.0%

16.3%

10.6%

0%

0%

0%

RC・SRC(47年)

20.0%

15.7%

9.6%

0%

0%

0%

設備の法定耐用年数が15年なので、築15年を超えると未償却残高はゼロになり、この方法では按分比率もゼロになります。つまり税効果が最大になる築15年以降の帯は、未償却残高補正という根拠の立て方では按分できないことになります。

これが本記事でもっとも押さえるべき構造です。

  • 効果が最大の築年数帯と、根拠を立てやすい築年数帯が逆を向いている。築5〜10年なら未償却残高補正で10〜18%の按分を説明できますが、その築年数では本体の償却年数もまだ長く(RC造築10年で39年)、10年の前倒し額は建物1,000万円あたり148.7万円どまりです。
  • 築15年以上で按分を主張するには、未償却残高補正ではなく工事請負契約書の工事費内訳か再建築費評点基準表による現在の構造別割合という別の根拠が必要になります。前者は中古取得では売主から入手できないことが多く、後者は固定資産税評価の「建築設備」と税法上の「建物附属設備」の範囲が完全には一致しません。
  • 実際に設備が更新されていれば(給湯器・エアコン・受変電設備など)、その分の価値は残っています。ただしそれを按分比率に反映するには、更新時期と金額の資料が必要です。

したがって「按分すれば得だから按分する」という順番は成り立ちません。先に根拠となる資料が手に入るかを確認し、その資料が示す比率で按分するという順番になります。本記事の表は、その比率が決まったときに効果がいくらかを見るための対応表として使うのが適切です。なお資本的支出が取得価額の50%を超える場合は簡便法そのものが使えません(国税庁タックスアンサーNo.5404)。修繕費と資本的支出の区分の影響は修繕費で落とせないと手残りはいくら減るのかで検証しています。

結果から分かること

  1. 設備按分が10年単位で効くのは本体償却の長い構造だけ。木造築15年以上では10年保有時の累計償却額が按分0%と同じになり、前倒しは3〜5年で消えます。RC造では10年目でも建物1,000万円あたり113万〜149万円の差が残りました。
  2. 効果が出る期間は3年で、4年目に段差が来る。按分20%で初年度の税引後CFは年63万円増えますが、3年目から4年目へ86万円(▲52.4%)落ちます。按分なしの同年の落ち込みは▲7万円でした。
  3. RC造10年保有では按分18.97%までが「反動なし」の範囲。それ以下なら10年後に譲渡損が残り、売却時の譲渡税は発生しません。それを超えた分から譲渡益が立ちます。
  4. 純効果のピークは保有6年(+118万円)。5年目までに売ると短期譲渡39.63%に食われて+72万円まで落ち、20年保有では名目合計が▲19万円に転じました。
  5. 按分30%が逆効果になるのは、他の所得の課税所得が約87万円を割ったとき。限界税率が約15%まで下がり、長期譲渡税率20.315%を下回るためです。
  6. 課税所得が低いと按分を増やしても効果が飽和する。課税所得300万円では按分10%(+0.34pt)から30%(+0.39pt)までほぼ横ばいでした。節税額の上限はその年に払っている税額(本ケースでは年51万円)です。
  7. 赤字に踏み込むと土地負債利子の分だけ効きが落ちる。按分20%の2年目は不動産所得▲133万円に対し税額差は▲18万円。土地対応の負債利子81.2万円は損益通算できません。
  8. 法人では按分20%前後で効果が飽和する。保有中と売却時が同じ税率のため税率差の利益がなく、所得800万円の境目で実効税率が下がることもあって、30%にすると効果が落ちました(+0.84pt→+0.73pt)。
  9. 税効果が最大の築年数帯は、按分の根拠が最も立てにくい帯でもある。未償却残高補正では築15年以上の設備按分比率はゼロになります。

投資判断への使い方

この結果は「設備按分をすべき/すべきでない」という結論にはなりません。確認する順番が変わります。

  • 最初に根拠資料の有無を確認する。工事請負契約書や工事費内訳書が売主・建築主から入手できるか、売買契約書に建物と附属設備の区分があるか。これが無い物件で按分比率を先に決めても、根拠のない数字になります。
  • 次に自分の課税所得を確認する。他の所得の課税所得が概ね87万円を下回るなら、按分を厚くしても得にはなりません。330万円を超える帯から効果が明確になり、900万円超の帯で最も大きくなります。按分は物件の属性ではなく買い手の属性で価値が決まる処理です。
  • 構造を見る。RC造・重量鉄骨造では意味がありますが、木造で10年以上持つ前提なら、按分してもしなくても10年累計の償却額は変わりません。
  • 出口の時期とセットで決める。純効果のピークは保有6〜7年でした。3〜5年で売る想定なら短期譲渡39.63%に削られ、15年超なら本体償却が追いついて差がほぼ消えます。
  • 4年目の段差を資金計画に入れる。按分20%で税引後CFは3年目165万円から4年目79万円に落ちます。この年に大規模修繕や設備更新が重なると、手元資金が二重に薄くなります。
  • 按分比率を上限まで取る必要はない。課税所得150万円前後の帯では「譲渡益がゼロになる比率(本ケース18.97%)」が最適解でした。法人も20%前後で飽和します。最大化ではなく、根拠の範囲と税率帯に合わせるのが筋です。

今回の試算は、他の所得の課税所得600万円・RC造築20年・LTV80%・金利2.2%・25年という条件を固定したうえで、設備按分比率だけを動かしたものです。土台になる税引前キャッシュフローとDSCRは、物件価格・家賃・空室率・運営費・融資条件が変わるだけで大きく動きます。自分の物件条件での税引前の数字を先に確かめたい場合は、キャッシュフローを試算する(RE-AI無料キャッシュフローシミュレーター)で35年分の収支と金利・空室のストレスまで確認できます。ただしこのツールは税引前までの計算で、減価償却と所得税・住民税は含みません。本記事で見た按分比率の差は、そこには現れない部分だという点に注意してください。

金利・空室率・修繕費・償却区分・出口利回りを同時に動かすと、確認項目はこの記事の範囲を超えて増えていきます。RE-AIでは、こうした複数条件を収益性・価格査定・融資・リスク・出口の各視点からまとめて確認できるように設計しています。ただし個別物件の税務処理の可否を判断するものではなく、按分の適否は必ず税理士に確認してください。

この分析では分からないこと

  1. 按分が税務上認められるかどうかは判断していません。本記事は「按分できたとして効果はいくらか」を計算したものです。実際の可否は資料の有無と税務署・税理士の判断によります。裁決例は方向性を示すものであって、個別案件の結論を保証しません。
  2. 設備の内訳を一本(15年)で扱っています。実際の建物附属設備は電気設備15年、給排水・衛生・ガス設備15年、冷暖房設備13年、昇降機17年などに分かれます。本ケースはエレベーターのあるRC造を想定していますが、昇降機を17年で分けると前倒し効果は本記事より小さくなります。
  3. 設備の除却を織り込んでいません。按分で計上した設備は個別資産としての特定が難しく、実際に給湯器やエアコンを更新した際に除却損を立てられるかは資料次第です。更新費用は運営費(日常修繕)に含めています。
  4. 住民税の課税所得を所得税と同額として計算しています。実際には基礎控除などの差で住民税の課税所得は所得税より大きくなり、税額はわずかに増えます。令和8年度改正の基礎控除引上げ(合計所得2,350万円以下で4万円)も反映していません。
  5. 青色申告の純損失繰越を3年で打ち切っています。繰越の使い残しが発生する低所得帯では、この扱いが結果に影響します。法人の欠損金繰越は10年としました。
  6. 売却価格は出口利回り1本で決めています。出口利回り6.32%(取得時+0.60pt)という設定は仮定です。この感応度は出口利回りが1%上がるとIRRはどこまで落ちるかで検証しています。譲渡益の有無は売却価格に直結するため、ここが動けば按分の最適比率も動きます。
  7. 土地と建物の按分比率(45:55)を固定しています。この比率自体が結果に効く論点で、建物比率を上げると税引後IRRは上がるのかで別に検証しています。両方を同時に動かした分析は行っていません。
  8. 実際の融資条件・建物状態・管理状態・周辺供給・個別物件の競争力は織り込んでいません。金利2.2%・25年という条件は地方のRC造築20年での一般的な傾向にもとづく仮定で、実際には借り手の属性で変わります。
  9. 相続・贈与による取得、法人間の移転、消費税の課税区分は扱っていません。建物附属設備は消費税の課税対象であり、按分比率は消費税額にも影響しますが、本記事では計算に含めていません。

まとめ

建物価格の一部を建物附属設備に按分すると、中古取得では簡便法によって設備の償却年数が短くなり(築15年以上なら一律3年)、償却を前倒しできます。RC造築20年なら建物本体31年に対して設備3年、年間償却率で10.3倍の差です。

ただし前倒しは前倒しでしかありません。RC造築20年・課税所得600万円・保有10年の架空ケースでは、按分20%で初年度の税引後CFが年63万円増える一方、設備の償却が切れる4年目に86万円(▲52.4%)落ちました。10年累計の純効果は+100万円、税引後IRRは1.935%から2.387%へ+0.45ptです。

効果の大きさを決めるのは物件ではなく条件の組み合わせでした。純効果が最大になるのは保有6年(+118万円)で、5年目までに売ると短期譲渡39.63%に削られて+72万円、20年保有では名目合計が▲19万円に転じます。課税所得では、約87万円を割ると按分30%が按分なしを下回り、300万円の帯では按分を10%から30%に増やしても改善はほぼ横ばい(+0.34pt→+0.39pt)でした。法人では税率差がないため20%前後で飽和します。

そして最後に残るのが根拠の問題です。未償却残高割合で補正する方法では、設備の法定耐用年数15年を超えた築15年以上の物件で按分比率はゼロになります。税効果が最大になる築年数帯は、按分の根拠が最も立てにくい帯でもある。設備按分は「使えるなら得な技術」ではなく、資料が揃っているか・自分の税率帯がどこか・いつ売るかの3つが揃ったときにだけ意味を持つ処理でした。

参考資料・出典

情報確認日:2026年10月10日

  • 国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」― 建物(木造・合成樹脂造 住宅用22年、金属造 骨格材肉厚4mm超 住宅用34年、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 住宅用47年)、建物附属設備(電気設備(蓄電池電源設備以外)15年、給排水・衛生設備・ガス設備15年)
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_01.pdf
  • 国税庁 タックスアンサー No.5404「中古資産の耐用年数」― 簡便法の算式(全部経過=法定耐用年数×20%、一部経過=(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%)、1年未満切捨て・2年未満は2年、資本的支出が取得価額の50%を超える場合は簡便法不可
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5404.htm
  • 国税庁 タックスアンサー No.5409-2「平成28年4月1日以後に取得をした建物附属設備等の減価償却」― 建物附属設備および構築物の償却方法は定額法のみ
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5409-2.htm
  • 国税庁 タックスアンサー No.1391「不動産所得が赤字のときの他の所得との通算」― 土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分は損益通算の対象外
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1391.htm
  • 国税庁 タックスアンサー No.2260「所得税の税率」、No.3208「長期譲渡所得の税額の計算方法」― 累進税率表、長期譲渡所得の税率(所得税15%+復興特別所得税+住民税5%=20.315%)
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm / https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3208.htm
  • 国税不服審判所 平成12年12月28日裁決(裁決事例集No.60 157頁)― 建物本体と建物附属設備は別々の耐用年数で償却する必要があるとし、工事請負契約書の工事費割合による区分を合理的と判断。中古物件は新築時から取得時までの損耗を見込み未償却残高の割合で補正
    https://www.kfs.go.jp/service/JP/60/17/index.html
  • 公益社団法人 全日本不動産協会「賃貸建物と建物附属設備の取得価額の区分方法」(月刊不動産2011年3月号/税理士 山崎信義)― 契約書で区分がない場合の合理的な区分方法、工事費割合が算出できない場合は再建築費評点基準表による構造別割合で区分する方法が合理的とされた平成13年2月19日裁決要旨
    全日本不動産協会 不動産お役立ちQ&A
  • 総務省 自治税務局資産評価室「固定資産評価のしくみについて(家屋評価)」― 再建築費評点基準表の部分別区分(非木造14区分)、木造住宅の評価例における建築設備1,903,130点/一棟の再建築費評点数合計9,778,690点(割合19.46%)
    https://www.soumu.go.jp/main_content/000877355.pdf
  • 財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」(令和7年12月26日閣議決定)― 所得税の累進税率区分および不動産の譲渡所得課税に変更の記載なし、基礎控除の引上げ(合計所得2,350万円以下で4万円)
    https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/08taikou_gaiyou.htm

本記事の金額はすべて、上記の公開データと記事内に明示した条件を用いたシミュレーションおよび架空ケースです。実在する物件の統計や、RE-AIの診断実績データではありません。建物附属設備への按分が認められるかどうかは個別の資料と税務判断によります。投資判断および税務処理は必ずご自身で、個別物件の資料・金融機関の条件・税理士の確認にもとづいて行ってください。

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この記事を書いた人

鈴木基公

鈴木基公

RE-AI開発者・不動産投資分析サービス運営者

不動産投資収益物件分析融資分析出口戦略

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