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デッドクロスは買い増しで消せるのか|崖を埋める自己資金1,795.5万円に対し、1棟目が12年で生んだCFは786.2万円だった

デッドクロスは買い増しで消せるのか|崖を埋める自己資金1,795.5万円に対し、1棟目が12年で生んだCFは786.2万円だった

減価償却が終わると税引後キャッシュフローが急に落ち込む。その対策として「償却が切れる前に次を買え」と言われます。新しい物件の減価償却費を足せば、課税所得の増加を相殺できるという考え方です。

この「買い増しで償却をつなぐ」やり方は、計算上は確かに成立します。ただし成立させるには、1棟目と同じ規模の物件をもう1棟買うだけの自己資金が要ります。そこで今回は、崖を埋めるのに必要な自己資金を、1棟目が償却期間中に生んだキャッシュフローで用意できるのかを実際に計算しました。

結論から書くと、同じ条件で買い増すのに必要な自己資金1,795.5万円に対し、1棟目が12年間で生んだ累計税引後CFは786.2万円。充足率43.8%でした。不足分は本業の収入から出すしかありません。そして自力で届く条件を逆算すると、表面利回り10.50%か、融資期間30年のどちらかが必要でした。

この記事で検証すること

検証するのは次の4点です。

  • 買い増しは本当に崖を埋められるのか(埋まるとしてどれだけ埋まるのか)
  • 崖を埋めるのに必要な自己資金を、1棟目のキャッシュフローで用意できるのか
  • 用意できない場合、小さい物件で代用するとどこまで効くのか
  • 買い増しを続けると、融資枠(債務償還年数)は何棟目まで持つのか

デッドクロスが「いつ来るか」そのものは、デッドクロスは何年目に来るのかで、構造別の崖の深さは減価償却が終わった年、税引後CFは93万円減ったで検証済みです。本稿はその続きとして、崖への対処法として最もよく語られる「買い増し」が資金面で回るのかを見ます。

前提条件|何を固定し、何を変えたか

今回の分析は、特定の物件統計ではなく条件を固定したシミュレーションです。架空のケースを設定し、そこから買い増しの可否だけを変えて比較します。

物件価格は先に決めず、「地方中核都市の単身向け木造アパート8戸・月5.2万円前後」という賃料構成を起点に置き、健美家の収益物件市場動向四半期レポート(2026年7〜9月期)が示す一棟アパートの全国平均表面利回り7.91%と整合する水準として6,300万円を置いています。

固定する条件

項目

設定

根拠・備考

物件

木造一棟アパート(取得時築12年・8戸)

法定耐用年数22年

満室想定賃料

年500万円

月5.2万円前後×8戸

物件価格

6,300万円(表面利回り7.94%)

全国平均7.91%と整合する水準

土地・建物比率

土地45%/建物3,465万円

固定資産税評価額按分を想定

耐用年数

12年(償却率0.084)

(22−12)+12×0.2=12.4年→12年

年間減価償却費

291.06万円

3,465万円×0.084

空室・滞納損失

5%

運営費

満室賃料の18%(90万円)

管理料・固都税・保険・小修繕等

NOI

385.0万円(NOI利回り6.11%)

借入

5,040万円(LTV80%)・金利2.3%・20年元利均等

年間返済314.63万円/DSCR1.224

購入時諸費用

物件価格の8.5%=535.5万円

必要自己資金は頭金1,260万円+諸費用=1,795.5万円

投資家

個人・給与の課税所得700万円

所得税(復興特別所得税込み)+住民税10%を累進で計算

税額は限界税率を一本で当てるのではなく、給与の課税所得700万円に不動産所得を乗せた額に対して速算表を適用し、不動産を持たない場合との差額を税負担としています。不動産所得が赤字になる年は、土地等を取得するための負債の利子に対応する部分は損益通算できないというルールも反映しました。

変える条件

  • 買い増しの有無とペース(買い増しなし/12年ごと/6年ごと)
  • 買い増す物件の規模(同規模/自己資金で買える規模)
  • 逆算パートのみ、表面利回り・LTV・融資期間

家賃下落・運営費上昇・大規模修繕・売却は、買い増しの効果だけを抜き出すためにいずれも織り込んでいません。この扱いは記事末の「分からないこと」で改めて触れます。

① 1棟目に起きること|12年目まで黒字、13年目から8年間が赤字

まず買い増しをしない場合の20年を計算しました。

年

減価償却

元金返済

支払利息

不動産所得

税額

税引前CF

税引後CF

1年目

291.1

200.8

113.8

▲19.9

0.0

70.4

+70.4

5年目

291.1

220.1

94.5

▲0.5

0.0

70.4

+70.4

8年目

291.1

235.9

78.8

15.2

5.1

70.4

+65.3

11年目

291.1

252.7

61.9

32.0

10.7

70.4

+59.7

12年目

263.3

258.6

56.1

65.6

22.0

70.4

+48.4

13年目

0.0

264.6

50.1

334.9

125.9

70.4

▲55.6

16年目

0.0

283.5

31.2

353.8

134.2

70.4

▲63.8

20年目

0.0

310.7

3.9

381.1

146.1

70.4

▲75.7

21年目以降

0.0

完済

385.0

147.8

385.0

+237.2

単位は万円。税引前CFは家賃・運営費を固定しているため20年間70.4万円で一定です。動いているのは税金だけです。

12年目の+48.4万円から13年目の▲55.6万円へ、1年で104.0万円悪化します。赤字は完済する20年目まで8年間続き、累計で523.3万円が手元から出ていきます。21年目に完済すると返済がなくなるため、今度は+237.2万円に反転します。

ここで注意したいのは、この物件が20年間ずっと税引前では黒字(DSCR1.224)だという点です。キャッシュフロー表を税引前で作っている限り、この8年間の赤字はどこにも現れません。

崖の深さは「建物比率×償却率×限界税率」で概算できる

落差の正体は、課税所得に上乗せされる減価償却費分の税金です。物件価格に対する比率で書くと次のようになります。

崖(対物件価格)= 建物比率 × 定額法償却率 × 限界税率

今回なら 0.55 × 0.084 × 43.69% = 2.018%、6,300万円に対して127.2万円です。実測の落差104.0万円がこれより小さいのは、(1)12年目が償却の端数年で償却費が263.3万円しかないこと、(2)不動産所得334.9万円が所得税23%の帯と33%の帯にまたがり、実効では38.0%にとどまることの2つによります。

この式は価格に比例するので、自分の物件に当てはめるときは建物比率・償却率・限界税率の3つだけを差し替えれば概算できます。建物比率そのものの決め方は建物比率を上げると税引後IRRは上がるのかで検証しています。

② 買い増しは崖を埋められるか|埋まる

13年目に同条件の2棟目(価格6,300万円・築12年・LTV80%・金利2.3%・20年)を取得した場合を計算しました。

13年目

買い増しなし

同規模を1棟買い増し

減価償却

0.0

291.1

元金返済

264.6

465.4

不動産所得

334.9

315.1

税額

125.9

117.2

税引前CF

70.4

140.7

税引後CF

▲55.6

+23.5

総借入残高

2,032.4

6,871.6

単位は万円。税引後CFは79.1万円改善し、赤字が黒字に戻りました。「買い増せば崖は埋まる」という定説は、計算上は正しいと言えます。

ただし内訳を見ると、改善分のうち税金の減少は8.7万円にすぎず、残りの70.4万円は2棟目自身が生む税引前キャッシュフローです。つまり買い増しは「1棟目の崖を消している」のではなく、「2棟目の黒字で1棟目の赤字を覆い隠している」というのが実態に近い構図です。1棟目の赤字そのものは13年目以降も続いています。

③ 本当の制約は税金ではなく自己資金だった

ここまでは「2棟目を買えたら」という前提です。実際には自己資金が必要です。

2棟目に必要な自己資金は、頭金1,260万円+諸費用535.5万円=1,795.5万円。これに対して、1棟目が償却期間の12年間で生んだ累計税引後CFは786.2万円でした。

項目

金額

2棟目に必要な自己資金

1,795.5万円

1棟目が12年間で生んだ累計税引後CF

786.2万円

充足率

43.8%

不足額

1,009.3万円

12年で埋めるのに必要な年間積立(本業から)

84.1万円/年

1棟目のキャッシュフローだけでは、次の物件の頭金の半分にも届きません。残りは本業の収入か、他の資産から出すことになります。償却リレーは物件が自分で回すのではなく、本業の所得で支える構造だということです。

LTVを上げても解決しない

「頭金を薄くすれば届くのでは」という発想は自然です。LTVを変えて同じ計算をしました。

LTV

必要自己資金

12年間の累計税引後CF

過不足

60%

3,055.5

1,660.9

▲1,394.6

70%

2,425.5

1,229.8

▲1,195.7

80%

1,795.5

786.2

▲1,009.3

90%

1,165.5

333.2

▲832.3

100%(諸費用のみ自己負担)

535.5

▲126.1

▲661.6

単位は万円。LTVを上げると必要自己資金は減りますが、借入が増えて返済額が膨らむため、1棟目が生むキャッシュフローも同時に減ります。フルローンでも661.6万円足りないという結果で、不足幅は縮むものの消えません。頭金比率と手残りの関係は「頭金を薄くして大きく買う」と手残りは増えるのかでも、税引前と税引後で結論が逆転することを確認しています。

④ 自己資金なりの規模しか買えないとどうなるか

では、手元にある786.2万円で買える範囲の2棟目にした場合はどうか。同じ条件(LTV80%・諸費用8.5%)なら買えるのは2,759万円の物件です。

項目

同規模(6,300万円)

自己資金なり(2,759万円)

建物価格

3,465万円

1,517万円

年間減価償却費

291.1万円

127.4万円

必要償却額に対する割合

100%

43.8%

13年目の税引後CF

+23.5万円

▲20.9万円

崖の埋まり方は自己資金の充足率とほぼ一致し、43.8%しか埋まりません。減価償却費は建物価格に比例するため、これは当然といえば当然の結果ですが、「小さくてもいいから買い増す」という選択が崖に対してどれだけ効くのかを数字で確かめておく意味はあります。▲55.6万円が▲20.9万円になるだけで、赤字は赤字のままです。

⑤ 自力で回せる条件を逆算する

1棟目のキャッシュフローだけで12年後に2棟目の自己資金1,795.5万円を用意できる条件を、表面利回りと融資期間から逆算しました。

表面利回りで埋める場合

他の条件を固定したまま表面利回りだけを動かすと、必要水準は10.50%(満室賃料661万円)でした。現行の7.94%とは2.56pt、全国平均7.91%とも2.6pt近い開きがあります。木造一棟でこの利回りを取りに行くと、築年数・立地・積算評価のいずれかを大きく譲ることになります。

融資期間で埋める場合

融資期間

初年度DSCR

12年間の累計税引後CF

必要自己資金1,795.5万円との過不足

20年

1.224

786.2

▲1,009.3

25年

1.451

1,402.7

▲392.8

30年

1.654

1,807.1

+11.6

単位は万円。融資期間30年でようやく自力で届きます。利回りを2.56pt積み増すより、融資期間を10年延ばすほうが現実的に見えますが、ここには前提があります。今回の物件は取得時築12年の木造で、法定耐用年数の残りは10年です。耐用年数を大きく超える30年融資を出す金融機関は限られ、出たとしても金利は本稿の2.3%より高くなるのが通常です。融資期間を縛るのは年齢か築年数かで見たように、年齢が先に上限を作る場合もあります。

つまり償却リレーを物件のキャッシュフローだけで回せる条件は、木造中古ではかなり限定的だということになります。

⑥ 融資枠は何棟目まで持つか

自己資金が用意できたとしても、金融機関が次を貸すかどうかは別の問題です。買い増し時点の債務償還年数(有利子負債÷(税引後利益+減価償却費))を計算しました。

ペース

取得年

取得直後の総借入残高

総DSCR

債務償還年数

自己資金充足率

12年ごと

13年目

6,871.6

1.224

14.1年

43.8%

25年目

6,871.6

1.836

9.7年

111.5%

6年ごと

7年目

8,371.6

1.224

14.4年

23.4%

13年目

10,404.0

1.224

13.2年

68.0%

19年目

10,714.8

1.224

10.8年

91.2%

25年目

10,714.8

1.530

8.8年

152.1%

単位は万円。注目したいのは、DSCRは買い増しで悪化しない点です。同じ条件の物件を足しているので、全体のDSCRは1.224のまま、むしろ完済が進むと改善します。制約になるのは債務償還年数のほうで、13年目の買い増し直後は14.1年。多くの金融機関が意識する10〜15年という範囲の上限側に張り付きます。

6年ごとに買い増すと7年目に14.4年まで伸び、さらに自己資金充足率は23.4%まで落ちます。ペースを速めるほど、税金ではなく資金と融資枠が先に詰まるという順序です。返済比率と債務償還年数がそれぞれ何に効くかは融資期間を15年延ばしても2棟目の枠は広がらないで分解しています。

⑦ 30年通して見るとどうなるか

戦略

30年累計税引後CF

投下自己資金合計

30年末の総借入残高

30年末の保有棟数

期間中の最大借入

最悪年の税引後CF

買い増しなし

+2,635.0

1,795.5

0

1棟

4,839.2

▲75.7

12年ごとに買い増し

+3,371.3

5,386.5

4,377.3

3棟

6,871.6

▲12.0

6年ごとに買い増し

+5,107.8

8,977.5

6,674.3

5棟

10,714.8

▲13.6

単位は万円。買い増しを重ねるほど累計キャッシュフローは増えますが、投下した自己資金はそれ以上の速さで増え、30年末には借入も物件も残ります。この表は物件の資産価値(売却したときの手取り)を含んでいないため、「買い増しなしが有利」と読むのは誤りです。30年末に1棟も持っていない状態と、5棟持っている状態を、キャッシュフローだけで比べることはできません。

この表から読み取れるのは優劣ではなく、買い増しが「少ない自己資金でキャッシュフローを増やす方法」ではないということです。30年で累計CFを2,472.8万円増やすのに、7,182.0万円の自己資金を追加で投じています。なお、保有中の節税が売却時にどれだけ戻るかは減価償却で減らした税金は、売却時にいくら返すことになるのかで別途検証しており、買い増しを止めた時点でその精算が始まります。

結果から分かること

  1. 買い増しで崖は埋まるが、埋めているのは2棟目の黒字。13年目の改善79.1万円のうち、税金の減少は8.7万円だけでした。1棟目の赤字は消えていません。
  2. 制約は税金ではなく自己資金。必要1,795.5万円に対し1棟目が12年で生んだのは786.2万円(充足率43.8%)。不足1,009.3万円は本業から出す必要があります。
  3. LTVでは解決しない。フルローンにしても661.6万円不足します。頭金を薄くすると返済が増え、貯まるキャッシュフローも減るためです。
  4. 自力で回る条件は表面利回り10.50%か融資期間30年。築12年木造でどちらも取りに行くのは簡単ではありません。
  5. 詰まる順序は、自己資金 → 債務償還年数 → DSCR。DSCRは買い増しで悪化しないため、DSCRだけを見ていると限界が見えません。
  6. 買い増さない場合の崖は、8年間・累計523.3万円。完済した21年目からは年+237.2万円に反転します。崖は永続ではなく、期間と金額が確定した負担です。

投資判断への使い方

この分析は「買い増すべきか否か」を決めるものではありません。使えるのは次の3つの確認です。

(1)崖の金額と期間を先に出しておく
崖の深さは「建物比率×償却率×限界税率」で概算でき、続く期間は償却終了年から完済年までです。今回なら年104.0万円×8年=523.3万円。この金額を購入前に把握しておけば、買い増しが唯一の選択肢ではないことが分かります。繰上返済で返済額を軽くする、償却終了年を出口の目安にする、といった対処と並べて比較できます。手元資金をどれだけ持つべきかは購入後の手元資金は家賃の何ヶ月分必要かが参考になります。

(2)買い増し前提で買うなら、自己資金の出どころを先に決める
「償却が切れたら次を買えばいい」は、本業の所得で年84.1万円を積み立て続けられる人にとっての計画です。そこが曖昧なまま1棟目のLTVを上げると、2棟目の自己資金はさらに遠のきます。

(3)融資枠はDSCRではなく債務償還年数で見る
同条件の物件を足してもDSCRは動きません。次が買えるかどうかを事前に見るなら、債務償還年数と返済比率を分けて確認する必要があります。

今回の試算の土台になっている税引前キャッシュフロー・DSCR・損益分岐空室率は、RE-AIの無料キャッシュフローシミュレーターで自分の物件条件を入力して試算できます。ただしこのツールは減価償却と税金を含まない税引前の計算です。本稿で見た崖の部分は、そこで出した数値に「建物価格×償却率×限界税率」を自分で当てて確認してください。

収益性・融資・リスク・出口を合わせて判断したい場合は、RE-AIの無料診断でまとめて確認できます。ただし将来の税制・金利・賃貸需要を言い当てるものではありません。

この分析で分からないこと

  1. 家賃下落・運営費上昇・大規模修繕を織り込んでいません。買い増しの効果だけを抜き出すために固定しました。実際には13年目には1棟目が築24年になっており、賃料も修繕費も今回の前提より不利に動く可能性が高いです。
  2. 売却と資産価値を含んでいません。30年比較の「累計税引後CF」は保有中の現金収支のみで、物件を売ったときの手取りや残債との差は含みません。戦略の優劣はこの表だけでは判断できません。
  3. 2棟目以降を同条件で買えると仮定しています。実際には同じ利回り・同じ金利・同じ融資期間の物件が12年後にあるとは限りません。
  4. 本業の課税所得を700万円で一定としています。昇給・退職・転職で限界税率が変われば、崖の深さも還付額も変わります。
  5. 青色申告特別控除、事業的規模(5棟10室)の判定、法人化は考慮していません。買い増しで事業的規模に達すると控除額が変わります。
  6. 債務償還年数の基準は金融機関ごとに異なります。本稿では10〜15年という一般的な目安を参照していますが、算式も許容範囲も統一されたものではありません。
  7. 融資審査は数値だけで決まりません。属性、担保評価、取引実績、その時点の融資姿勢によって結果は変わります。

まとめ

「減価償却が切れる前に次を買え」という対処法は、計算上は確かに崖を埋めます。ただし埋めているのは税金の減少(8.7万円)ではなく、2棟目自身が生むキャッシュフロー(70.4万円)でした。そして同じ規模を買うのに必要な自己資金1,795.5万円に対し、1棟目が12年で生んだのは786.2万円、充足率43.8%です。

不足分を埋める方法を逆算すると、表面利回り10.50%か融資期間30年。築12年の木造中古でそのどちらかを満たすのは簡単ではありません。LTVを上げる方向は、フルローンにしても661.6万円足りず、解にはなりませんでした。

一方で、買い増さない場合の崖は8年間・累計523.3万円で、完済後の21年目からは年+237.2万円に反転します。期間も金額も確定している負担です。買い増しは選択肢のひとつですが、「崖が来るから買い増すしかない」ではなく、「崖の金額と期間を出したうえで、買い増し・繰上返済・売却のどれを選ぶか」という順序で考える余地があります。

参考資料・出典

情報確認日:2026年10月28日

本稿の数値は、上記の制度・公開データを前提に条件を固定して計算したシミュレーション結果であり、実在する物件の統計やRE-AIの診断実績ではありません。転換点として示した表面利回り10.50%・融資期間30年・債務償還年数14.1年などの数値は、いずれも本稿の前提条件に限定された結果です。

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この記事を書いた人

鈴木基公

鈴木基公

RE-AI開発者・不動産投資分析サービス運営者

不動産投資収益物件分析融資分析出口戦略

1件の物件を買うか判断するために、4時間。 場合によっては、答えが出るまで何日もかかる。 その間にも、良い物件は他の投資家に買われていきます。 「分析に時間を使うのではなく、判断に時間を使うべきではないか。」 この疑問から開発したのが「RE-AI」です。 数時間かかっていた分析をAIがサポートし、投資家が本来やるべき『比較・現地調査・意思決定』に時間を使える環境を目指しています。

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