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融資

融資期間を15年延ばしても2棟目の枠は広がらない|返済比率と債務償還年数を分けて、次が買える条件を利回り別に逆算

融資期間を15年延ばしても2棟目の枠は広がらない|返済比率と債務償還年数を分けて、次が買える条件を利回り別に逆算

1棟目を買った投資家が2棟目で止まるとき、原因は「返済が苦しいから」とは限りません。手元にキャッシュフローが残っていても、金融機関の内部で使う指標のほうが先に上限に当たっていることがあります。

その代表が債務償還年数です。返済比率やDSCRとは分母・分子の作りが違い、投資家が改善したつもりの操作がまったく効かない場合があります。今回はこの指標を実際に計算し、融資期間を延ばしても、物件を大きくしても、債務償還年数は1年も縮まないことを確認したうえで、次の1棟を組むために必要な条件を利回り別に逆算しました。

この記事で検証する疑問

  • 融資期間を20年から35年に延ばすと、返済比率と債務償還年数はそれぞれどう動くか
  • 物件規模を2倍・4倍にすると債務償還年数は改善するのか
  • 築古木造の短期償却は、償却が切れた年に融資枠へどう跳ね返るか
  • 債務償還年数15年・20年に収めるには、表面利回り別にいくら自己資金が要るか

債務償還年数とは何を測っている指標か

債務償還年数は、1年間に生み出す返済原資で有利子負債を何年で返しきれるかを見る指標です。中小企業庁のローカルベンチマークでも財務指標のひとつとして扱われており、一般的な計算式は次のとおりです。

債務償還年数 = 有利子負債残高 ÷(税引後利益 + 減価償却費)

ここで重要なのは、分母に「年間返済額」が入らないことです。返済原資は税引後利益と減価償却費から作られるため、元本をいくら返しているかは分母に影響しません。一方、投資家が普段見ている返済比率とDSCRは、いずれも年間返済額が計算に入ります。

指標

計算式

年間返済額の扱い

減価償却の扱い

返済比率

年間返済額 ÷ 満室想定家賃

分子に入る

入らない

DSCR

NOI ÷ 年間返済額

分母に入る

入らない

債務償還年数

借入残高 ÷(税引後利益+減価償却費)

入らない

分母に加算

この構造の違いが、後述する「融資期間を延ばしても枠が広がらない」という結果を生みます。

なお、実務では分母を「経常利益-税金+減価償却費」とする形や、分子から現預金を差し引く形(EBITDA有利子負債倍率に近い形)もあります。本記事では上記の式で統一しました。目安については、一般事業では10年以内、不動産賃貸業は業種特性から15〜20年程度までは許容されうる、という実務解説が広く見られます。ただしこれは法令や公的な統一基準ではなく、金融機関ごとに運用が異なります(情報確認日:2026年9月8日)。

分析の前提条件

今回は条件付きシミュレーションです。実在の物件統計ではなく、条件を固定した架空ケースで計算しています。

想定読者は、給与所得のある個人が地方・郊外で最初の一棟を買い、数年内に2棟目を検討する場面です。テーマが「規模拡大の可否」なので、価格そのものではなく賃料規模と融資条件から前提を組み立てました。

項目

設定

設定理由

戸数・賃料

8戸 × 月5.5万円

地方・郊外の1LDK〜2DK帯を想定

満室想定年間家賃

528万円

8戸×5.5万円×12ヶ月

表面利回り

8.0%

地方一棟の検討帯として設定

物件価格

6,600万円

528万円 ÷ 8.0%(家賃と利回りから逆算)

空室・滞納損失

5%

基準ケース

運営費

満室家賃の20%=105.6万円

管理料・固都税・保険・修繕等

NOI

396.0万円(NOI率75.0%)

528×0.95-105.6

自己資金

10%=660万円

基準ケース(後段で0〜40%に変更)

借入

5,940万円・金利2.0%・25年・元利均等

基準ケース

限界税率

30%(所得税20%+住民税10%)

給与課税所得500万円前後を想定

構造は、同じ価格・同じ家賃で減価償却だけが異なる3タイプを並べました。耐用年数は国税庁の簡便法(法定耐用年数を全部経過=法定×20%、一部経過=(法定-経過)+経過×20%)で算定しています。

構造・築年

建物比率

建物価格

償却年数

年間減価償却費

木造 築22年

30%

1,980万円

4年

495.0万円

重量鉄骨 築20年

45%

2,970万円

18年

165.0万円

RC 築25年

55%

3,630万円

27年

134.4万円

固定した条件:物件価格・満室家賃・空室率・運営費・自己資金比率・金利・税率
変更した条件:構造(=減価償却)、融資期間、自己資金比率、表面利回り、金利

結果1:融資期間を15年延ばしても、債務償還年数は0.41年「悪化」した

まず、投資家が最もよく使う調整手段である融資期間から見ます。木造築22年のケースで、融資期間だけを20年から35年へ動かしました。

融資期間

年間返済額

返済比率

初年度 税引後CF

初年度 債務償還年数

20年

360.6万円

68.3%

100.1万円

16.55年

25年

302.1万円

57.2%

158.7万円

16.74年

30年

263.5万円

49.9%

197.5万円

16.87年

35年

236.1万円

44.7%

224.9万円

16.96年

融資期間を20年から35年へ15年延ばすと、返済比率は68.3%から44.7%へ23.6pt改善し、税引後CFは年124.8万円増えます。ところが債務償還年数は16.55年から16.96年へ、0.41年「悪化」しました

理由は式の構造にあります。期間を延ばしても借入残高(分子)はむしろ減りにくくなり、返済原資(分母)には元本返済額が入らないため改善しません。加えて期間が長いほど初年度の支払利息が残るため、税引後利益がわずかに減ります。結果として、CFと返済比率だけが良くなり、債務償還年数はほぼ動かないという状態になります。

この点は、融資期間そのものの得失を扱った融資期間25年・30年・35年で何が変わるかの結論と矛盾しません。期間延長はCFとDSCRには効きますが、効く指標と効かない指標がはっきり分かれる、という話です。

結果2:物件を4倍の規模にしても、債務償還年数は1日も変わらない

次に、「大きく買えば次が見える」という発想を検証します。表面利回り8.0%・自己資金10%・重量鉄骨築20年という条件を固定したまま、物件価格だけを4分の1から4倍まで動かしました。

物件価格

借入額

年間返済原資

初年度 債務償還年数

3,300万円

2,970万円

122.4万円

23.52年

6,600万円

5,940万円

244.7万円

23.52年

1億3,200万円

1億1,880万円

489.4万円

23.52年

2億6,400万円

2億3,760万円

978.9万円

23.52年

債務償還年数はすべて23.52年で同一でした。利回り・自己資金比率・金利・償却率が同じであれば、借入残高も返済原資も価格に比例するため、比率としての債務償還年数は動きません。

つまり債務償還年数は規模の指標ではなく、条件の指標です。同じ買い方で規模だけ大きくしても、金融機関から見た返済力の「質」は1ミリも改善しません。「規模を作れば次が借りられる」という説明が成立するとすれば、それは債務償還年数ではなく、事業実績や取引実績といった別の評価軸を指しています。

結果3:築古木造は5年目に債務償還年数が9.44年悪化する

ここが今回いちばん実務に効いた結果です。自己資金10%・金利2.0%・25年で固定し、構造だけを変えて12年分の債務償還年数を計算しました。

経過年

借入残高

木造 築22年

重量鉄骨 築20年

RC 築25年

1年目

5,755万円

16.74年

23.52年

24.43年

2年目

5,566万円

16.07年

22.50年

23.37年

3年目

5,374万円

15.40年

21.49年

22.31年

4年目

5,177万円

14.72年

20.49年

21.26年

5年目

4,977万円

24.16年

19.48年

20.20年

6年目

4,772万円

22.85年

18.47年

19.15年

8年目

4,351万円

20.27年

16.47年

17.06年

10年目

3,912万円

17.72年

14.48年

14.99年

12年目

3,456万円

15.22年

12.50年

12.92年

木造築22年は、償却期間中の4年間だけ債務償還年数が14〜16年台で推移し、3タイプの中で最も良く見えます。ところが償却が終わる5年目に14.72年から24.16年へ、1年で9.44年悪化しました。返済原資が351.7万円から206.0万円へ、145.7万円落ちるためです。

一方、重量鉄骨とRCは1年目こそ23〜24年台と見劣りしますが、毎年単調に改善し、5年目には木造を追い越します(重量鉄骨19.48年 対 木造24.16年)。

税引後キャッシュフローの累計で見ても、同じ入れ替わりが起きています。

構造

1〜4年 累計税引後CF

5〜8年 累計税引後CF

木造 築22年

628.0万円

15.0万円

▲613.0万円

重量鉄骨 築20年

232.0万円

213.0万円

▲19.0万円

RC 築25年

195.4万円

176.3万円

▲19.1万円

築古木造は、最初の4年で他構造の約2.7倍のキャッシュを残す代わりに、5年目以降はほぼゼロになります。この「4年間」は、税引後CFの話であると同時に、次の融資枠が開いている期間でもあるということです。償却切れそのものの影響は減価償却が終わった年、税引後CFは93万円減ったで詳しく扱っていますが、今回の計算は、それが自分のキャッシュだけでなく金融機関から見た返済力にも同時に効くことを示しています。

償却切れ後に元の水準へ戻すには、いくら繰上返済が必要か

木造の5年目時点(残債4,977万円・残期間21年・返済原資206.0万円)から、繰上返済だけで債務償還年数を戻す場合の必要額を逆算しました。

目標

必要な繰上返済額

返済後の残債

20年以内

493万円

4,484万円

15年以内

1,416万円

3,561万円

10年以内

2,454万円

2,523万円

4年間で貯まった税引後CFの累計は628万円ですから、20年以内に戻すことはかろうじて射程に入りますが、15年以内は手が届きません。繰上返済の是非そのものは余剰資金500万円は繰上返済すべきかで検証していますが、「融資枠を戻す」目的で使うと必要額が跳ね上がる、というのが今回の結果です。

結果4:債務償還年数を動かせる変数は3つしかない

ここまでで、融資期間と物件規模は効かないことが分かりました。では何が効くのか。自己資金比率と金利を動かして確認します。

自己資金比率

借入額

木造 築22年

重量鉄骨 築20年

RC 築25年

0%(フルローン)

6,600万円

19.11年

27.14年

28.24年

10%

5,940万円

16.74年

23.52年

24.43年

20%

5,280万円

14.50年

20.15年

20.91年

30%

4,620万円

12.37年

17.02年

17.64年

40%

3,960万円

10.34年

14.10年

14.59年

自己資金比率は分子(借入残高)を直接動かすため、素直に効きます。10%から30%へ引き上げると、重量鉄骨で23.52年から17.02年へ6.50年改善しました。

金利

返済比率

年間返済原資

初年度 債務償還年数

1.0%

50.9%

285.8万円

20.05年

1.5%

54.0%

265.3万円

21.65年

2.0%

57.2%

244.7万円

23.52年

2.5%

60.6%

224.1万円

25.73年

3.0%

64.0%

203.5万円

28.39年

3.5%

67.6%

182.9万円

31.66年

金利は支払利息を通じて分母を削ります。2.0%から3.0%への1pt上昇で、債務償還年数は23.52年から28.39年へ4.87年伸びました。金利上昇局面では、返済額が増えるだけでなく次の融資枠も同時に縮むということです。金利上昇そのものの影響は金利上昇×空室率、同時に悪化したらキャッシュフローはどこまで減る?で扱っています。

整理すると、債務償還年数に効く変数は①自己資金比率 ②表面利回り(NOI率) ③減価償却の大きさ ④金利で、融資期間と物件規模は効きません

逆算:債務償還年数15年・20年を満たすのに必要な自己資金比率

ここからが本題です。重量鉄骨築20年・金利2.0%・25年・NOI率75%を固定し、表面利回りと自己資金比率を動かして初年度の債務償還年数を出しました。

表面利回り

自己資金0%

10%

20%

30%

40%

6.0%

38.4年

32.8年

27.7年

23.1年

18.9年

7.0%

31.8年

27.4年

23.3年

19.6年

16.2年

8.0%

27.1年

23.5年

20.2年

17.0年

14.1年

9.0%

23.7年

20.6年

17.7年

15.0年

12.5年

10.0%

21.0年

18.3年

15.8年

13.5年

11.2年

12.0%

17.1年

15.0年

13.0年

11.1年

9.3年

これを自己資金比率について解くと、次のようになります。

表面利回り

20年以内に必要な自己資金比率

15年以内に必要な自己資金比率

6.0%

37.3%

50.2%

7.0%

28.9%

43.6%

8.0%

20.5%

36.9%

9.0%

12.0%

30.2%

10.0%

3.6%

23.5%

12.0%

0.0%

10.1%

読み取れる境界は明確です。

  • 表面利回り8.0%・自己資金10%のフルローン寄りの買い方では、債務償還年数は23.5年。不動産賃貸業として緩めに見た20年の目安にも届きません。
  • 表面8.0%で20年以内に収めるには自己資金20.5%、15年以内なら36.9%が必要。6,600万円の物件なら、それぞれ1,353万円・2,435万円です。
  • フルローンで20年以内を満たせるのは表面利回り10.43%から上。地方高利回り帯を狙う投資家が「次も借りられる」ケースがあるのは、この境界を越えているためと説明できます。

逆に言えば、低利回り×低自己資金の物件は、収支が回っていても次の融資枠をほとんど作らないことになります。買った瞬間に、次の1棟までの距離が決まっているという構造です。

自己資金の総額が決まっている場合、どこまで買うべきか

手元資金1,500万円を持つ投資家が、表面8.0%の物件をいくらまで買うかで債務償還年数がどう変わるかも計算しました。

購入価格

自己資金比率

借入額

返済比率

初年度 債務償還年数

5,000万円

30.0%

3,500万円

44.5%

17.02年

6,000万円

25.0%

4,500万円

47.7%

18.56年

7,500万円

20.0%

6,000万円

50.9%

20.15年

1億円

15.0%

8,500万円

54.0%

21.80年

1億5,000万円

10.0%

1億3,500万円

57.2%

23.52年

同じ1,500万円でも、5,000万円の物件なら17.02年、1億5,000万円なら23.52年です。1棟目で自己資金を薄く伸ばして大きく買うほど、2棟目の余地は縮みます。ただしこれは規模拡大が常に不利という意味ではなく、「規模と次の枠はトレードオフになっている」という意味です。頭金を薄くする戦略の損得そのものは「頭金を薄くして大きく買う」と手残りは増えるのかで検証しています。

なお、今回の試算は借入額・金利・融資期間・NOIを固定した1パターンです。実際の借入条件で返済構造や将来残債を確かめたい場合は、不動産投資ローンシミュレーターで返済額・DSCR・将来残債を試算すると、5年後・10年後の残債水準まで自分の条件で確認できます。債務償還年数の分子にあたる残債は、ここから読み取れます。

結果から分かること

  1. 指標によって効く操作が違う。融資期間の延長は返済比率を23.6pt、税引後CFを年124.8万円改善しましたが、債務償還年数は0.41年悪化しました。「返済が楽になった」と「次が借りられる」は別の話です。
  2. 規模拡大は債務償還年数を改善しない。3,300万円でも2億6,400万円でも23.52年で同一でした。改善するのは条件(利回り・自己資金比率・償却・金利)だけです。
  3. 築古木造の「良い数字」には期限がある。1〜4年目は3タイプ中最良ですが、5年目に9.44年悪化し、重量鉄骨・RCに逆転されます。次の1棟を検討するなら、この4年が実質的な窓です。
  4. 低利回り×低自己資金は、次の枠をほぼ作らない。表面8.0%・自己資金10%では23.5年で、緩めの20年目安にも届きません。20年以内には自己資金20.5%、15年以内には36.9%が必要でした。

投資判断への使い方

  • 1棟目を選ぶ段階で、2棟目の可否は概ね決まっている。購入前に、表面利回りと自己資金比率の組み合わせから初年度の債務償還年数を出しておくと、「次に進める買い方か」が事前に分かります。
  • 築古木造で始めるなら、償却期間中に次を決めるか、償却切れ後の悪化を織り込む。5年目に9.44年悪化する前提でスケジュールを引く必要があります。償却切れ後に元へ戻すには1,416万円(15年以内)の繰上返済が必要でした。
  • 金利上昇局面では、返済額と融資枠が同時に縮む。2.0%→3.0%で4.87年悪化します。固定金利は変動より何%まで高くていいのかの判断にも、この観点を加える余地があります。
  • 金融機関がどの指標を重く見ているかを確認する。返済比率で見る先、DSCRで見る先、債務償還年数で見る先では、同じ物件でも評価が変わります。不動産投資のDSCRとはおよび不動産投資ローン完全ガイドで、指標ごとの位置づけを整理しています。

この分析で分からないこと

  1. 債務償還年数を実際にどう使うかは金融機関ごとに異なります。個人の不動産投資では返済比率・積算評価・属性が中心で、債務償還年数は法人や規模拡大局面でより重く見られる傾向があるとされますが、本記事は公開されている審査基準を再現したものではありません。分母の定義(税引後利益ベースか経常利益ベースか、現預金を控除するか)も先によって異なります。
  2. 目安の15年・20年は法令基準ではありません。実務解説で広く用いられている水準を参照したものです。
  3. 建物比率は仮置きです。今回は構造別に30%・45%・55%としましたが、実際は売買契約書の按分や固定資産税評価額の比率で決まり、償却額は大きく変わります。
  4. 初年度は取得諸費用が損金となるため、実際の税引後利益はさらに下がります。今回は諸費用を計算に含めていません。諸費用の水準は不動産投資の諸費用は本当に7%なのかを参照してください。
  5. 空室率・運営費・家賃下落は一定としています。実際には返済原資が年ごとに変動し、債務償還年数はここで示したほど滑らかには動きません。
  6. 属性・自己資金残高・取引実績・積算評価は考慮していません。2棟目の可否はこれらの複合で決まり、債務償還年数は判断材料のひとつにすぎません。

まとめ

債務償還年数は、返済比率やDSCRとは違い、年間返済額が計算に入りません。そのため融資期間の延長という最も使われる調整手段が効かず、物件規模を4倍にしても数値は動きませんでした。効いたのは自己資金比率、表面利回り、減価償却の大きさ、金利の4つだけです。

表面8.0%・自己資金10%という一般的な買い方では初年度23.5年で、不動産賃貸業として緩めに見た20年の目安にも届きません。20年以内には自己資金20.5%、15年以内には36.9%が必要でした。そして築古木造で始めた場合、良好に見える数字は償却の4年間限定で、5年目に9.44年悪化します。

結論を一つに絞るなら「自己資金を厚くすべき」となりますが、それでは自己資本利益率(CCR)や規模拡大のスピードを犠牲にします。実際の判断は、次の1棟までの距離1棟あたりの効率のどちらを優先するかによって変わります。少なくとも、返済比率とCFだけを見て「余裕がある」と判断すると、次の融資で想定外の壁に当たる可能性がある、というのが今回の計算から言えることです。

今回のように、金利・自己資金比率・償却・空室・出口を同時に動かすと、確認すべき指標の組み合わせが一気に増えます。RE-AIは、こうした複数条件をまとめて確認できるよう設計しています。ただし金融機関ごとの審査基準そのものを再現するものではありません。

参考資料・出典

  • 国税庁「No.5404 中古資産の耐用年数」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5404_qa.htm(簡便法による耐用年数算定/2026年9月8日確認)
  • 中小企業庁「ローカルベンチマーク」関連資料(債務償還年数の定義・財務指標としての位置づけ)https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/shingikai/kihonmondai/kinyu/download/014_04.pdf(2026年9月8日確認)
  • 債務償還年数の実務上の目安については、複数の会計事務所・金融実務解説を参照しました。公的な統一基準ではありません。
  • 本記事の数値は、上記前提条件に基づきRE-AI編集部が計算した条件付きシミュレーションです。実在物件の統計値ではありません(計算日:2026年9月8日)。

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この記事を書いた人

鈴木基公

鈴木基公

RE-AI開発者・不動産投資分析サービス運営者

不動産投資収益物件分析融資分析出口戦略

1件の物件を買うか判断するために、4時間。 場合によっては、答えが出るまで何日もかかる。 その間にも、良い物件は他の投資家に買われていきます。 「分析に時間を使うのではなく、判断に時間を使うべきではないか。」 この疑問から開発したのが「RE-AI」です。 数時間かかっていた分析をAIがサポートし、投資家が本来やるべき『比較・現地調査・意思決定』に時間を使える環境を目指しています。

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