RE-AI

7体のAIによる収益物件評価プラットフォーム

融資

不動産投資ローンの借換えは金利差何ptから得か|残債の大きさではなく「あと何年返すか」で損益分岐を逆算

不動産投資ローンの借換えは金利差何ptから得か|残債の大きさではなく「あと何年返すか」で損益分岐を逆算

不動産投資ローンの借換えは、一般に「金利差1%以上、残債1,000万円以上、残存期間10年以上」という目安で語られることが多いテーマです。ただしこの3条件は住宅ローンの文脈で広まったもので、なぜその水準なのかを計算で確かめた説明はあまり見かけません。

そこで今回は、借換えの諸費用を公開情報から積み上げたうえで、「諸費用を回収できる金利差は何ポイントか」を残債規模・残存期間・保有継続年数の3つの軸で逆算しました。結果として、よく言われる3条件のうち残債規模はほとんど判断材料にならず、残存期間よりも「あと何年その借入を続けるか」のほうが支配的であることが分かりました。さらに、金利差よりも融資事務手数料が定率型か定額型かのほうが損益分岐を大きく動かしています。

本記事の数値は、公開されている税率・手数料水準をもとにした条件付きシミュレーションです。実際の物件統計でも、特定の金融機関の提示条件でもありません。

この記事で検証する疑問

  • 借換えの諸費用を回収するには、金利差が何ポイント必要か
  • その損益分岐は、残債が大きいほど下がるのか(=大きい借入ほど借換えは得なのか)
  • 残存期間と「売却までの年数」では、どちらが損益分岐を決めるのか
  • 金利を下げない借換え(期間延長)は成立するのか

借換えの諸費用は「率で決まる部分」と「固定費」に分かれる

借換えでは、既存ローンの完済と新規ローンの実行が同時に起きるため、費用が両側で発生します。主な項目と根拠は次のとおりです。

費用項目

水準

性質

融資事務手数料(新規)

定率型は借入額の2.2%(税込)/定額型は3.3万円程度

率または固定

抵当権設定の登録免許税

債権金額 × 4/1000(0.4%)

印紙税(金銭消費貸借契約書・第1号文書)

1,000万円超5,000万円以下:2万円/5,000万円超1億円以下:6万円

段階的な固定

抵当権抹消の登録免許税

不動産1個につき1,000円

固定

司法書士報酬(設定・抹消)

設定7万円+抹消1.5万円と設定

固定

既存ローンの全額繰上返済手数料

3.3万円と設定

固定

登録免許税と印紙税は法定の税率・税額です。事務手数料と司法書士報酬は金融機関・事務所によって幅があるため、本記事では上記の水準を仮定として固定しました。保証料は商品によって「金利上乗せ型」「一括前払型」「なし」と扱いが分かれるため、今回は計算に含めていません(含めれば定率型の諸費用はさらに増える方向に働きます)。

これを残債別に積み上げると次のようになります。

残債

事務手数料

設定登録免許税

印紙税

抹消・司法書士・繰上手数料

合計

対残債比

2,500万円

55.0万円

10.0万円

2.0万円

12.1万円

79.1万円

3.16%

5,000万円

110.0万円

20.0万円

2.0万円

12.1万円

144.1万円

2.88%

1億円

220.0万円

40.0万円

6.0万円

12.1万円

278.1万円

2.78%

事務手数料が定額型(3.3万円)の金融機関であれば、同じ条件で27.4万円(2,500万円)・37.4万円(5,000万円)・61.4万円(1億円)となり、対残債比は1.10%・0.75%・0.61%まで下がります。

ここで重要なのは、諸費用の大部分が残債に対する「率」で決まっているという構造です。定率型では対残債比が2.78〜3.16%とほぼ横並びになります。この点が、後の結論に直結します。

分析の前提条件

今回は物件価格ではなくローン残債を分析の起点にしています。借換えの損得に効くのは残債・金利・残存期間であり、購入時の物件価格そのものは計算に入らないためです。

区分

項目

設定

固定

返済方式

元利均等・毎月返済(月利=年利÷12)

既存ローンの金利

4.5%(一部で感応度を確認)

借換え後の融資期間

原則、残存期間と同じ(据置)

諸費用

上表のとおり。定率型・定額型の2パターン

家賃・空室率・運営費・修繕費

借換えでは変化しないため分析対象外

変更

ローン残債

2,500万円/5,000万円/1億円

残存期間

5年/10年/15年/20年/25年/30年

金利差

0.3〜2.0ポイント(損益分岐は連続的に逆算)

借入を続ける年数

1年〜完済まで

既存金利を4.5%としたのは、比較的高い金利で調達した借入を、より低い金利へ借り換える場面を想定したためです。この水準そのものに意味はなく、後述のとおり既存金利を2.5〜5.5%で振っても損益分岐はほとんど動きません。

検証1:損益分岐金利差は、残債の大きさでほとんど変わらない

まず、完済まで保有する前提で「総返済額の減少額が諸費用を上回る金利差」を逆算しました。

残存期間

残債2,500万円

残債5,000万円

残債1億円

5年

1.17pt

1.06pt

1.03pt

10年

0.55pt

0.50pt

0.48pt

15年

0.35pt

0.32pt

0.30pt

20年

0.25pt

0.22pt

0.22pt

25年

0.19pt

0.17pt

0.16pt

30年

0.15pt

0.14pt

0.13pt

残債が4倍(2,500万円→1億円)になっても、損益分岐金利差は0.25pt→0.22pt(残存20年)としか動きません。差は0.03ポイントです。

理由は前節の構造にあります。諸費用が残債の約2.8〜3.2%で決まり、金利差による利息削減額も残債に比例するため、両者の比である損益分岐は残債の大きさで打ち消し合うのです。わずかに残る差は、印紙税や司法書士報酬といった固定費の比重が小さい残債ほど薄まることによるものです。

つまり「残債が大きいから借換えのメリットが出やすい」という説明は、金額としては正しくても判断基準としては機能しません。残債1億円の借換えで得られる削減額は5,000万円の場合の約2倍になりますが、必要な金利差は同じです。

既存金利の水準を振っても同様でした。

残存期間

既存2.5%

既存3.5%

既存4.5%

既存5.5%

10年

0.53pt

0.52pt

0.50pt

0.49pt

20年

0.25pt

0.24pt

0.22pt

0.21pt

30年

0.15pt

0.14pt

0.14pt

0.13pt

※残債5,000万円・定率型。既存金利が3ポイント違っても、損益分岐の差は0.04ポイント以内に収まります。

検証2:本当の変数は「あと何年その借入を続けるか」

検証1は「完済まで保有する」という前提でした。しかし収益物件では、途中で売却して残債を一括返済する可能性があります。売却すれば、その時点で金利差の恩恵は止まります。

そこで、借換え後に一定年数で売却する前提に変え、返済額の差の累計に加えて、売却時点の残債の差(低金利のほうが元本の減りが速い)も含めた正味効果で損益分岐を計算し直しました。

借入を続ける年数

定率型(2.2%)

定額型(3.3万円)

1年

2.90pt

0.75pt

2年

1.45pt

0.38pt

3年

0.97pt

0.25pt

5年

0.58pt

0.15pt

7年

0.42pt

0.11pt

10年

0.30pt

0.08pt

15年

0.21pt

0.05pt

20年

0.16pt

0.04pt

30年(完済まで)

0.14pt

0.04pt

※残債5,000万円・既存金利4.5%・残存30年。

3年で売却するなら0.97pt、10年なら0.30pt。同じ借入でも、想定保有年数が3年か10年かで必要な金利差は3倍以上変わります。

さらに踏み込んで、残存期間そのものを振ってみると、次の結果になりました。

借入を続ける年数

残存10年

残存15年

残存20年

残存25年

残存30年

3年

1.07pt

1.01pt

0.99pt

0.98pt

0.97pt

5年

0.70pt

0.63pt

0.61pt

0.59pt

0.58pt

10年

0.50pt

0.37pt

0.33pt

0.31pt

0.30pt

3年で売る前提なら、残存期間が10年でも30年でも損益分岐は0.97〜1.07ptとほぼ同じです。残存期間が長いこと自体には、借換えの損得を改善する力がほとんどありません。残存期間が効いて見えるのは、それが「長く借り続ける」ことの代理変数になっている場合だけです。

一般によく言われる「残存期間10年以上」という目安は、「残存10年以上、かつ実際に10年前後は借り続ける」という条件が揃って初めて意味を持ちます。残存25年でも3年後に売る予定なら、必要な金利差は約1ポイントです。

検証3:事務手数料が定率か定額かで、損益分岐は約4分の1になる

検証2の表で、定率型と定額型の列を比べると差は歴然としています。完済まで保有する前提でも同じ傾向でした。

残存期間

定率型2.2%

定額型3.3万円

倍率

5年

1.06pt

0.27pt

約3.9倍

10年

0.50pt

0.13pt

約3.8倍

15年

0.32pt

0.08pt

約4.0倍

20年

0.22pt

0.06pt

約3.7倍

25年

0.17pt

0.04pt

約4.3倍

30年

0.14pt

0.04pt

約3.5倍

※残債5,000万円・既存金利4.5%。

残債5,000万円の場合、事務手数料は定率型で110万円、定額型で3.3万円。差額106.7万円は、この条件では金利差およそ0.17ポイント分(20年間)に相当します。

提示された金利だけを比べて借換え先を選ぶと、この差を見落とします。金利が0.1ポイント低くても事務手数料が定率型であれば、正味では不利になり得るということです。

検証4:時間価値を入れると、損益分岐は上がる

ここまでは総返済額の単純差で計算していました。しかし諸費用は借換え時点に一括で出ていくのに対し、返済額の削減は数十年かけて少しずつ発生します。同じ金額でも、今日の100万円と20年後の100万円は同じではありません。

そこで、月々の返済削減額を借換え後の金利で割り引いた現在価値(NPV)でも計算しました。

残存期間

総返済額ベース

NPVベース

5年

1.06pt

1.16pt

+0.10pt

10年

0.50pt

0.61pt

+0.11pt

15年

0.32pt

0.42pt

+0.10pt

20年

0.22pt

0.33pt

+0.11pt

25年

0.17pt

0.28pt

+0.11pt

30年

0.14pt

0.24pt

+0.10pt

※残債5,000万円・既存金利4.5%・定率型。

残存30年では0.14pt→0.24ptと、必要な金利差が約1.7倍になります。「総額でいくら減るか」だけで判断すると、期間が長いケースほど借換えのメリットを過大に評価します。この差は、残存期間が長いほど絶対値としては効いてきます。

検証5:金利を下げない借換え(期間延長)はどうなるか

借換えの目的は金利引下げだけではありません。残存期間を延ばして年間返済額を圧縮し、DSCRとキャッシュフローを立て直す使い方があります。残債5,000万円・既存4.5%・残存20年(年間返済379.6万円)を起点に比較しました。

借換え条件

年間返済額

現状比

DSCR倍率

総返済額の差(諸費用込)

10年後残債

現状(4.5%・残20年)

379.6万円

1.000

3,052万円

3.5%・20年(金利のみ)

348.0万円

▲31.6万円

1.091

+488.2万円

2,932万円

3.5%・30年(金利+期間)

269.4万円

▲110.2万円

1.409

▲635.1万円

3,871万円

4.5%・30年(期間のみ)

304.0万円

▲75.6万円

1.249

▲1,672.6万円

4,004万円

5.5%・30年(金利上昇+期間延長)

340.7万円

▲38.9万円

1.114

▲2,772.5万円

4,127万円

6.0%・30年

359.7万円

▲19.9万円

1.055

▲3,344.2万円

4,184万円

読み取れるのは、年間キャッシュフローの改善と総返済額の増加が、真正面から対立するということです。

  • 金利のみ1ポイント下げる借換えは、年間31.6万円の改善にとどまる一方、総返済額では488.2万円の削減(諸費用控除後)になります。
  • 期間を20年→30年に延ばすと、金利が同じでも年間75.6万円改善し、DSCRは1.249倍になります。ただし総返済額は諸費用込みで1,672.6万円増え、10年後残債も952万円多く残ります。
  • 金利が1ポイント上がっても(4.5%→5.5%)、期間を30年へ延ばせば年間返済は38.9万円減り、DSCRは1.114倍になります。総返済額は2,772.5万円増えます。

DSCRが1.20を割り込んで運営が回らない状況では、総返済額が増えても期間延長に価値があり得ます。逆に手元に余裕があるなら、期間を延ばすほど出口での残債が重くなります。どちらが正しいかは、いま何に困っているかで変わります。売却時に残債が手残りを規定する構造については、残債と売却手残りが逆転するのは何年目かで別途検証しています。

期間を延ばした場合の年間返済額・DSCR・将来残債の変化は、ご自身の残債・金利・期間を入れて不動産投資ローンシミュレーターで返済額とDSCRを試算すると、上表と同じ形式で確認できます。上の表は残債5,000万円・既存4.5%という一組の条件にすぎないため、実際の判断はご自身の数値で行ってください。

検証6:損益分岐となる「継続年数」を逆算する

金利差が先に決まっているケースも多いため、逆方向にも計算しました。提示された金利差に対して、最低何年その借入を続ければ諸費用を回収できるかです。

金利差

定率型2.2%

定額型3.3万円

0.3pt

10.0年

2.5年

0.5pt

5.9年

1.5年

0.8pt

3.6年

1.0年

1.0pt

2.9年

0.7年

1.5pt

2.0年

0.5年

2.0pt

1.5年

0.4年

※残債5,000万円・既存4.5%・残存30年。売却時点の残債の差を含む。

定率型で金利差0.3ptしかない場合、10.0年保有して初めて損益が均衡します。同じ0.3ptでも定額型なら2.5年です。「金利差0.3ptでは借換えの意味がない」という一般論は、定率型を前提にしたときだけ成り立ちます。

なお、返済額の差だけで諸費用を回収する年数(残債の差を考慮しない、より保守的な見方)は、残存20年・金利差1.0ptで定率型4.6年・定額型1.2年でした。

DSCRとキャッシュフローはどれだけ改善するか

借換えによる年間返済額の減少率は残債の大きさに依存しないため、DSCRの改善は倍率で表せます。

金利差

年間返済額の減少率

DSCR倍率

DSCR1.20が

DSCR1.30が

0.3pt

2.54%

1.026倍

1.23

1.33

0.5pt

4.22%

1.044倍

1.25

1.36

0.8pt

6.70%

1.072倍

1.29

1.39

1.0pt

8.33%

1.091倍

1.31

1.42

1.5pt

12.34%

1.141倍

1.37

1.48

2.0pt

16.24%

1.194倍

1.43

1.55

※既存金利4.5%・残存20年。DSCRはNOI÷年間元利返済額であり、NOIが変わらなければ返済額の減少率だけで倍率が決まるため、この表は残債の大きさによらず使えます。

金利差1.0ptの借換えでも、DSCRの改善は1.091倍。DSCR1.20の物件は1.31になりますが、1.05の物件は1.15にしかなりません。返済が苦しい物件を借換えだけで安全圏へ戻すのは、金利引下げのみでは難しいことが分かります。この局面で効くのは、検証5で見たとおり期間延長のほうです。DSCRの読み方そのものは不動産投資のDSCRとはにまとめています。

結果から分かること

  1. 残債の大きさは損益分岐を決めない。2,500万円でも1億円でも、必要な金利差は0.22〜0.25pt(残存20年)でほぼ同じでした。諸費用も削減額もどちらも残債に比例するためです。
  2. 支配的な変数は「あと何年その借入を続けるか」。継続3年なら0.97pt、10年なら0.30pt、完済までなら0.14pt。3倍以上の開きがあります。
  3. 残存期間そのものの影響は小さい。継続3年という条件では、残存10年でも30年でも損益分岐は0.97〜1.07ptに収まりました。
  4. 事務手数料の型が金利差より効く場面がある。定率型2.2%と定額型3.3万円で、損益分岐は約3.5〜4.3倍違います。
  5. 時間価値を入れると損益分岐は約0.10pt上がる。総額ベースの計算は借換えメリットを過大評価します。
  6. 期間延長は、総返済額を犠牲にキャッシュフローを買う取引。金利が1ポイント上がっても、20年→30年の延長で年間返済は38.9万円減り、総返済額は2,772.5万円増えました。

投資判断への使い方

今回の結果は、借換えの検討順序を次のように組み替えることを示しています。

  1. 先に「その物件をいつまで持つか」を決める。金利差を調べるのはその後です。3年以内の売却を視野に入れているなら、定率型では1ポイント近い金利差がないと成立しません。
  2. 金融機関の事務手数料が定率か定額かを、金利と同じ重みで確認する。定額型なら0.3pt程度の金利差でも2.5年で回収できます。
  3. 目的が「総返済額の削減」か「キャッシュフローの回復」かを分けて考える。両者は期間の扱いで逆方向に動きます。DSCRが1.1前後まで下がっているなら、金利引下げより期間延長のほうが効きます。
  4. 残債の大きさを理由にしない。「残債が大きいから借換えたほうがいい」は金額としては正しくても、判断の根拠にはなりません。

なお、借換えは手元資金の使い道としての繰上返済と競合します。余剰資金を繰上返済に回すか温存するかは余剰資金500万円は繰上返済すべきかで、固定と変動の選択は固定金利は変動より何%まで高くていいのかで、それぞれ別の角度から逆算しています。

この分析で分からないこと

今回の計算は、公開されている税率と一般的な手数料水準を前提にした条件付きシミュレーションです。次の点は含まれていません。

  • 借換えの審査に通るかどうか。本記事は「通った場合の損得」しか計算していません。実際には借主の属性・法人決算・既存借入・信用情報、物件の担保評価、建物の構造や残存耐用年数、金融機関の融資方針が審査されます。既存ローンより有利な条件が出る保証はありません。
  • 保証料の扱い。金利上乗せ型・一括前払型・不要と商品によって異なり、今回は計算に含めていません。一括前払型であれば定率型の諸費用はさらに増えます。
  • 実際の事務手数料・司法書士報酬。定率2.2%・定額3.3万円・司法書士8.5万円は仮定です。金融機関や事務所によって幅があります。
  • 変動金利の将来推移。今回は借換え前後とも金利が一定である前提です。変動同士の借換えでは、金利差そのものが将来変わります。
  • 税務上の扱い。事務手数料や登録免許税の必要経費算入・繰延の扱い、支払利息の減少による課税所得の増加は反映していません。税引後で見た場合、削減額は今回の計算より小さくなる方向に働きます。
  • 既存金融機関との関係。借換えは既存の取引を終了させます。追加融資や次の物件の相談先としての関係が失われる可能性は、金額に換算していません。
  • 期限前弁済違約金。固定金利期間中の一括返済では、3.3万円の手数料ではなく金利差に応じた清算金が発生する商品があります。該当する場合、諸費用は大きく変わります。

まとめ

不動産投資ローンの借換えは、金利差だけで判断できるものではありませんでした。今回の条件では、損益分岐を決めていたのは「あと何年その借入を続けるか」と「事務手数料が定率か定額か」の2つで、よく目安として挙げられる残債規模はほとんど影響していません。

逆に言えば、この2つが決まれば必要な金利差は逆算できます。定額型で長く保有するなら0.1pt未満でも成立し、定率型で3年後に売るなら1ポイント近い差がないと諸費用を回収できません。同じ「金利差0.5pt」でも、片方は明確に有利、もう片方は損失になります。

今回のシミュレーションは残債5,000万円・既存金利4.5%を中心とした一組の条件です。返済額・DSCR・将来残債がご自身の条件でどう動くかは、不動産投資ローンシミュレーターに残債・金利・期間を入れて、借換え前後の2通りを比べる形で確認できます。融資条件を物件の収益性・価格・エリア・出口までつなげて確認したい場合は、不動産投資ローン完全ガイドもあわせてご覧ください。

RE-AIは、金利・空室・修繕・出口といった条件をまとめて計算するために作っていますが、借換えの可否そのものや金融機関の判断を予測できるものではありません。実際の借換えは、必ず金融機関と税理士に直接ご確認ください。

分析条件の要約

項目

内容

データ区分

条件付きシミュレーション(法定の税率・税額は公開データ、手数料水準は仮定)

計算方式

元利均等・毎月返済。月利=年利÷12、返済回数=年数×12

損益分岐の求め方

正味効果=返済額差の累計+売却時点の残債差−諸費用。これが0となる金利差を二分探索(200回反復)で逆算

NPVの割引率

借換え後の金利(月次)

情報確認日

2026年9月4日

参考資料・出典

本記事の数値は、上記の税率・水準を前提に筆者が計算したシミュレーション結果であり、実在する物件・融資案件の統計ではありません。特定の金融機関の提示条件を示すものでもありません。作成:RE-AI開発・運営(鈴木基公)。本記事は投資助言ではなく、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。

この記事をシェアする

この記事を書いた人

鈴木基公

鈴木基公

RE-AI開発者・不動産投資分析サービス運営者

不動産投資収益物件分析融資分析出口戦略

1件の物件を買うか判断するために、4時間。 場合によっては、答えが出るまで何日もかかる。 その間にも、良い物件は他の投資家に買われていきます。 「分析に時間を使うのではなく、判断に時間を使うべきではないか。」 この疑問から開発したのが「RE-AI」です。 数時間かかっていた分析をAIがサポートし、投資家が本来やるべき『比較・現地調査・意思決定』に時間を使える環境を目指しています。

分析実績 87件(2026/08/07時点)X(旧Twitter)プロフィールと執筆記事 →