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DSCR1.3に必要な表面利回りは7.5%か9.4%か|全国4万件のNOI率実データで地域別に逆算

DSCR1.3に必要な表面利回りは7.5%か9.4%か|全国4万件のNOI率実データで地域別に逆算

収益物件を探すとき、最初に見るのは表面利回りです。しかし表面利回りが同じ8.0%の物件でも、運営費と空室損を差し引いた後に残る収益(NOI)の割合は、地域によって大きく違います。

この記事では、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会とIREM JAPANが全国40,979件の実データから集計したNOI率を使い、「表面利回りが同じでもDSCRはどこまで分かれるのか」「DSCR1.3を満たすには表面利回りが何%必要なのか」を地域別に逆算しました。

この記事で検証する疑問

一般的な記事は「表面利回りだけで判断してはいけない」「実質利回りを見ましょう」と説明します。ここまでは正しい指摘です。ただ、そこから先が数字になっていません。

投資家が実際に知りたいのは、次の3つです。

  • 表面利回りが同じなら、NOI率の違いでDSCRはどれだけ変わるのか
  • DSCR1.3を確保したいとき、必要な表面利回りは何%なのか
  • NOI率が低い物件は、価格をいくら下げれば、あるいは自己資金をいくら足せば成立するのか

この3つを、推定値ではなく実データのNOI率を使って計算します。

分析に使う実データ:全国40,979件のNOI率

使用したのは、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会・NPO法人IREM JAPAN・株式会社LIFULLによる「第13回(2025年版)全国賃貸住宅実態調査」です。全国の賃貸物件所有者・管理会社から回収した有効回答40,979件について、満室賃料・空室損・運営費・NOIを集計しています。

同調査のNOI率の定義は次のとおりです。

  • NOI = 満室賃料 − 空室損 − 運営費 + その他収入
  • NOI率 = NOI ÷ 総潜在収入
  • 運営費に含まれるもの:固定資産税・都市計画税、保険料、賃貸管理手数料、募集費用、原状回復費、消防点検、共用部電気代・上下水道、清掃、植栽管理など

一棟・木造物件(調査数2,736件)の集計結果は次のとおりでした。

地域

NOI率

空室率

運営費率

全国

81.62%

2.09%

17.79%

東京都

88.34%

1.85%

12.88%

関東地方

83.95%

1.97%

15.55%

福岡県

79.51%

2.23%

19.35%

北海道・東北地方

76.42%

1.52%

24.60%

中国・四国・九州地方

75.70%

2.99%

22.14%

中部・近畿地方

72.63%

3.15%

24.61%

熊本県

65.26%

5.27%

29.38%

最も高い東京都の88.34%と、最も低い熊本県の65.26%では23.08ポイントの差があります。全国平均81.62%を基準にしても、下位の地域とは16ポイント以上開いています。

なお物件タイプ別では、一棟・非木造が77.53%、区分・ファミリーが76.83%、区分・単身が73.07%でした。木造一棟が最も高くなっているのは、エレベーターや受水槽といった共用設備の維持費が発生しないためと考えられます。

また同調査では、区分所有物件について運営費率と築年数の正の相関が報告されています。

物件タイプ

築10年以内

築10〜20年

築20年超

区分・単身向け(全国)

17.90%

23.76%

26.54%

+8.64pt

区分・ファミリー向け(全国)

14.50%

18.64%

23.87%

+9.37pt

築20年を超えると、築10年以内より運営費率が8〜9ポイント高くなっています。地域差だけでなく築年数によっても、NOI率は動くということです。

前提条件:何を固定し、何を変えたか

今回は特定の物件価格を出発点にしません。理由は、DSCRの計算式が物件価格に依存しない形へ整理できるからです。

年間返済額は「借入額 × ローン定数K」で表せます。借入額は「物件価格 × LTV」なので、

  • NOI = 物件価格 × 表面利回り × NOI率
  • 年間返済額 = 物件価格 × LTV × K
  • DSCR =(表面利回り × NOI率)÷(LTV × K)

と変形でき、物件価格が約分されて消えます。つまり価格が3,000万円でも2億円でも、この4つの変数が同じならDSCRは同じです。ローン定数Kの考え方はイールドギャップをローン定数Kで測り直した記事で詳しく扱っています。

固定した条件

  • 物件タイプ:一棟・木造アパート
  • 融資金利:2.3%(地方銀行・信用金庫のアパートローンを想定した分析用の設定値)
  • 融資期間:25年、元利均等返済 → ローン定数K=5.263%
  • LTV:90%(後半の検証でのみ変更)
  • 諸費用:物件価格の9%(諸費用を税率から積み上げた記事の8.0〜9.2%の中間値)

変更した条件

  • NOI率(65.26%〜88.34%/実データ)
  • 表面利回り(6.0%〜10.0%)
  • LTV(70%・80%・90%)
  • 金利(2.3%・2.8%・3.3%・4.0%)

検証1:表面利回り8.0%を固定すると、DSCRは1.10〜1.49に分かれた

表面利回り8.0%、LTV90%、金利2.3%・25年で固定し、NOI率だけを実データの水準へ入れ替えます。実額のイメージを持てるよう、年間満室想定賃料556.8万円(8戸×月5.8万円)の物件を想定しました。この場合の価格は6,960万円、借入額6,264万円、自己資金は頭金と諸費用を合わせて1,322万円です。年間返済額は329.7万円で全ケース共通です。

NOI率の水準

NOI率

実質(NOI)利回り

年間NOI

年間CF

DSCR

CCR

東京都

88.34%

7.07%

491.9万円

162.2万円

1.492

12.26%

関東地方

83.95%

6.72%

467.4万円

137.7万円

1.418

10.42%

全国平均

81.62%

6.53%

454.5万円

124.8万円

1.378

9.43%

福岡県

79.51%

6.36%

442.7万円

113.0万円

1.343

8.55%

北海道・東北

76.42%

6.11%

425.5万円

95.8万円

1.291

7.25%

中国・四国・九州

75.70%

6.06%

421.5万円

91.8万円

1.278

6.94%

中部・近畿

72.63%

5.81%

404.4万円

74.7万円

1.227

5.65%

熊本県

65.26%

5.22%

363.4万円

33.7万円

1.102

2.55%

同じ「表面利回り8.0%」でも、DSCRは1.102から1.492まで分かれました。倍率にして1.35倍です。年間キャッシュフローは33.7万円から162.2万円まで、4.8倍の開きが出ています。

ここで重要なのは、この差が「物件が良いか悪いか」ではなく、運営費率と空室率という運営側の条件だけで生じている点です。表面利回りは同じ、価格も同じ、融資条件も同じです。

この条件下でDSCR1.3を割る転換点はNOI率76.98%でした。全国平均の81.62%はクリアしますが、北海道・東北(76.42%)、中国・四国・九州(75.70%)、中部・近畿(72.63%)、熊本県(65.26%)はいずれも下回ります。

検証2:DSCR1.3に必要な表面利回りを逆算する

次に順序を逆にします。DSCR1.3を確保するという結果から、必要な表面利回りを逆算します。式は「必要表面利回り = 1.3 × LTV × K ÷ NOI率」です。

NOI率の水準

NOI率

LTV70%

LTV80%

LTV90%

東京都

88.34%

5.42%

6.20%

6.97%

関東地方

83.95%

5.71%

6.52%

7.34%

全国平均

81.62%

5.87%

6.71%

7.54%

福岡県

79.51%

6.02%

6.88%

7.75%

北海道・東北

76.42%

6.27%

7.16%

8.06%

中国・四国・九州

75.70%

6.33%

7.23%

8.13%

中部・近畿

72.63%

6.59%

7.54%

8.48%

熊本県

65.26%

7.34%

8.39%

9.44%

LTV90%の列を見ると、全国平均のNOI率なら表面利回り7.54%で足りるのに対し、熊本県平均の水準では9.44%が必要になります。差は1.89ポイントです。

「地方は利回りが高いから有利」と言われることがありますが、この計算は少し違う見方を示します。地方の表面利回りが高いことには、運営費率が高くDSCRが出にくい分を価格で調整しているという側面があります。表面利回り9%台の地方物件と、表面利回り7%台の首都圏物件が、返済余力の面では同じ位置に立っている可能性があるということです。

なお、NOI率が1ポイント下がったときに必要となる表面利回りの上昇幅は一定ではありません。

NOI率の変化

必要表面利回りの変化

1pt当たりの影響

85% → 84%

7.245% → 7.331%

+0.086pt

80% → 79%

7.698% → 7.795%

+0.097pt

75% → 74%

8.211% → 8.322%

+0.111pt

70% → 69%

8.797% → 8.925%

+0.127pt

65% → 64%

9.474% → 9.622%

+0.148pt

NOI率が低い領域ほど、さらに1ポイント落ちたときの打撃が大きくなります。すでに運営費率が高い物件で、想定外の修繕や空室が加わると、必要な利回り水準は加速度的に上がっていきます。

検証3:金利が上がると、NOI率が低い物件ほど強く効く

次に金利を変えます。LTV90%・期間25年は据え置き、DSCR1.3に必要な表面利回りがどう動くかを見ます。

NOI率の水準

金利2.3%

金利3.3%

上昇幅

東京都(88.34%)

6.97%

7.79%

+0.82pt

関東地方(83.95%)

7.34%

8.19%

+0.86pt

全国平均(81.62%)

7.54%

8.43%

+0.88pt

福岡県(79.51%)

7.75%

8.65%

+0.91pt

北海道・東北(76.42%)

8.06%

9.00%

+0.94pt

中国・四国・九州(75.70%)

8.13%

9.09%

+0.95pt

中部・近畿(72.63%)

8.48%

9.47%

+0.99pt

熊本県(65.26%)

9.44%

10.54%

+1.10pt

同じ「金利1ポイント上昇」でも、必要表面利回りの上昇幅は0.82ポイントから1.10ポイントまで違います。NOI率が低い物件は、金利上昇に対しても弱いということです。運営費率の高さと金利上昇耐性の低さは、別々のリスクではなく掛け算になります。

表面利回り8.0%・LTV90%に固定したまま、金利別にDSCR1.3・1.0を維持できるNOI率の下限を計算すると次のようになりました。

金利

DSCR1.3を維持できるNOI率

DSCR1.0を維持できるNOI率

2.3%

76.98%以上

59.21%以上

2.8%

81.41%以上

62.62%以上

3.3%

85.99%以上

66.14%以上

4.0%

92.64%以上

71.26%以上

金利3.3%では、DSCR1.3を維持するのに必要なNOI率は85.99%です。これは実データで東京都(88.34%)しか超えていない水準です。表面利回り8.0%をフルローンに近い条件で買う戦略は、金利が3%台に乗った時点で、返済余力の面では相当に狭い道になります。

検証4:3シナリオ比較

NOI率と金利を同時に動かした場合を見ます。物件価格6,960万円、借入6,264万円、自己資金1,322万円は共通です。

シナリオ

NOI率

金利

年間NOI

年間返済額

年間CF

DSCR

CCR

BASE(全国平均)

81.62%

2.3%

454.5万円

329.7万円

+124.8万円

1.378

+9.43%

STRESS(中国・四国・九州)

75.70%

3.3%

421.5万円

368.3万円

+53.2万円

1.144

+4.02%

SEVERE(熊本県)

65.26%

4.0%

363.4万円

396.8万円

−33.4万円

0.916

−2.53%

BASEとSTRESSの間で、年間CFは124.8万円から53.2万円へ、71.6万円減りました。SEVEREではNOIが年間返済額を下回り、DSCRは0.916、年間で33.4万円の持ち出しになります。

ただしSEVEREの条件は、熊本県平均という調査上最も低いNOI率と、金利4.0%という高めの水準を組み合わせたものです。発生確率を主張するものではなく、「どこまで悪化すると赤字になるか」の位置を確認するための計算として見てください。

検証5:同じ家賃収入でも、払える上限価格は最大35%違う

ここまでは価格を固定してきましたが、逆に「同じ家賃収入の物件に、いくらまで払えるか」を逆算します。年間満室想定賃料556.8万円を固定し、DSCR1.3を満たす上限価格を求めます。

NOI率の水準

年間NOI

上限価格

その時の表面利回り

全国平均との差

東京都(88.34%)

491.9万円

7,987万円

6.97%

+608万円

関東地方(83.95%)

467.4万円

7,591万円

7.34%

+211万円

全国平均(81.62%)

454.5万円

7,380万円

7.54%

福岡県(79.51%)

442.7万円

7,189万円

7.75%

−191万円

北海道・東北(76.42%)

425.5万円

6,910万円

8.06%

−470万円

中国・四国・九州(75.70%)

421.5万円

6,845万円

8.13%

−535万円

中部・近畿(72.63%)

404.4万円

6,567万円

8.48%

−813万円

熊本県(65.26%)

363.4万円

5,901万円

9.44%

−1,479万円

年間556.8万円という同じ家賃収入を生む物件に対して、払える上限価格は5,901万円から7,987万円まで開きました。差額は2,087万円、率にして35.4%です。

この計算は、価格交渉の材料としても使えます。運営費率が高いことが分かっている物件で、売主の提示価格が全国平均のNOI率を前提にした利回りで設定されているなら、必要な値引き幅を金額で示せます。上限価格の逆算そのものはDSCR・CF・IRRの3条件から上限価格を逆算した記事でも扱っていますが、今回はその入力値であるNOI率を実データに置き換えた形です。

検証6:NOI率が低い物件は、自己資金で補えるのか

価格を下げる以外の方法として、借入を減らす選択肢があります。表面利回り別に、DSCR1.3を満たす最大LTVを逆算しました。

表面利回り

全国平均(81.62%)

中国・四国・九州(75.70%)

熊本県(65.26%)

6.0%

71.6%

66.4%

57.2%

7.0%

83.5%

77.4%

66.8%

8.0%

95.4%

88.5%

76.3%

9.0%

100.0%

99.6%

85.8%

10.0%

100.0%

100.0%

95.4%

表面利回り8.0%・価格6,960万円のケースで、必要な自己資金を計算すると次のようになります(諸費用9%を含む)。

NOI率の水準

最大LTV

必要な頭金

自己資金比率

自己資金の実額

全国平均(81.62%)

95.4%

4.6%

13.6%

945万円

中国・四国・九州(75.70%)

88.5%

11.5%

20.5%

1,426万円

熊本県(65.26%)

76.3%

23.7%

32.7%

2,276万円

同じ価格・同じ表面利回りの物件でも、必要な自己資金は945万円と2,276万円で1,331万円違います。運営費率の差は、自己資金の差として跳ね返ってくるということです。

ただし自己資金を厚くすればDSCRは上がる一方で、自己資金に対する利回り(CCR)は下がります。DSCRとCCRはトレードオフの関係にあり、どちらか片方だけを最適化しても投資判断にはなりません。自己資金比率とDSCRの関係は頭金10%・20%・30%で比較した記事で扱っています。

結果から分かること

今回の計算で見えたのは次の4点です。

  • 表面利回りが同じでも、実データのNOI率を当てはめるとDSCRは1.10〜1.49に分かれる。年間CFでは4.8倍の差になった。
  • DSCR1.3に必要な表面利回りは、NOI率81.62%なら7.54%、65.26%なら9.44%。差は1.89ポイント。地方の高利回りには、運営費率の高さを価格で調整している部分が含まれている可能性がある。
  • NOI率が低いほど、金利上昇の影響も大きい。金利1ポイント上昇で必要になる表面利回りの上乗せは、0.82ポイントから1.10ポイントまで幅がある。
  • 同じ家賃収入でも、払える上限価格は最大35.4%、必要な自己資金は1,331万円違う。

逆に言えば、NOI率が高い物件は、表面利回りが低くても投資として成立し得ます。表面利回りだけで足切りをすると、返済余力の高い物件を候補から外してしまう可能性があります。

投資判断への使い方

実務での使い方としては、次の順序が考えられます。

  1. 検討中の物件の所在地・構造・タイプから、実データのNOI率の水準を確認する
  2. 「必要表面利回り = 目標DSCR × LTV × K ÷ NOI率」で、その物件に求めるべき表面利回りを計算する
  3. 売出価格の表面利回りがそれを下回るなら、価格交渉・自己資金の追加・融資期間の延長のどれで埋めるかを検討する
  4. どれでも埋まらないなら、その条件では見送る

この計算は電卓でもできますが、NOI率・LTV・金利・融資期間を動かしながら比較すると確認項目が増えます。ご自身の物件のNOIと融資条件で返済余力を確かめたい場合は、RE-AIのDSCR計算ツールで試算できます。満室想定家賃・空室率・年間運営費からNOIを求めるモードがあるため、今回のNOI率をそのまま入力条件に反映できます。金利を0.5ポイント刻みで上げたときのDSCRの変化も同じ画面で確認できます。

なお、DSCRは初年度の返済余力を1つの数値で見る指標です。運営費は築年数とともに上がり、賃料は下がる方向に動くため、保有期間全体では今回の計算と違う姿になります。DSCRそのものの意味と目安はDSCRの基礎記事を、NOI・IRRを含む収支計算の全体像は収益物件の収支計算完全ガイドをご覧ください。

この分析で分からないこと

今回の計算には次の限界があります。

  • 調査のNOI率に大規模修繕費(資本的支出)は含まれていない。調査項目は原状回復・点検・清掃といった経常的な支出が中心です。屋根・外壁・給排水の更新費用を織り込むと、実際のNOI率はさらに下がります。修繕費がIRRに与える影響は長期修繕計画から逆算した記事で扱っています。
  • 地域平均は個別物件の値ではない。調査数の少ない都道府県(熊本県の一棟木造は69件)は、母数の偏りの影響を受けます。同じ地域内でも物件ごとのばらつきは大きく、地域平均を自分の物件の予測値として使うことはできません。
  • 地域差の原因を特定したものではない。NOI率が低い地域では空室率と運営費率がともに高い傾向が見られますが、これは相関であって因果ではありません。物件の築年数構成、管理手法、調査回答者の属性など複数の要因が絡んでいる可能性があります。
  • 調査対象は管理会社が関与する物件に偏る可能性がある。回答は賃貸物件所有者および管理会社から得たものです。自主管理物件や、管理が行き届いていない物件の実態を代表しているとは限りません。
  • 税引前の計算である。所得税・法人税、減価償却の影響は含めていません。
  • 初年度の静的な計算である。賃料下落、空室率の変動、金利の変動、出口価格は織り込んでいません。

NOI率は「その物件を今の条件で運営したときの効率」を示す指標であり、将来の収益を保証するものではありません。

まとめ

表面利回りは、価格と満室想定家賃という2つの数字だけで決まります。そこには運営費も空室も入っていません。実データのNOI率を当てはめると、同じ表面利回り8.0%の物件でもDSCRは1.10から1.49まで分かれ、年間キャッシュフローは4.8倍の差になりました。

DSCR1.3を確保するために必要な表面利回りは、NOI率81.62%なら7.54%、65.26%なら9.44%です。物件を比較するときは、表面利回りの数字そのものではなく、「その地域・そのタイプのNOI率で、この表面利回りは足りているか」を見る方が実態に近づきます。

本記事の計算は、記載した前提条件のもとでの結果です。実際の融資条件、建物の状態、周辺の賃貸市場によって数値は変わります。

参考資料・出典

情報確認日:2026年8月29日

本記事の数値は、記載した前提条件に基づく条件付きシミュレーションです。NOI率・空室率・運営費率は上記調査の実データを使用し、金利・融資期間・LTV・諸費用率は分析用に設定した仮定値です。投資助言ではありません。最終的な判断はご自身の責任で、金融機関・税理士等の専門家への確認とあわせて行ってください。

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この記事を書いた人

鈴木基公

鈴木基公

RE-AI開発者・不動産投資分析サービス運営者

不動産投資収益物件分析融資分析出口戦略

1件の物件を買うか判断するために、4時間。 場合によっては、答えが出るまで何日もかかる。 その間にも、良い物件は他の投資家に買われていきます。 「分析に時間を使うのではなく、判断に時間を使うべきではないか。」 この疑問から開発したのが「RE-AI」です。 数時間かかっていた分析をAIがサポートし、投資家が本来やるべき『比較・現地調査・意思決定』に時間を使える環境を目指しています。

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