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管理・空室対策

サブリースの手数料15%は、空室率何%分の保険なのか|損益分岐空室率4.1%と、10年で逆転する改定幅▲1.81ptを逆算

サブリースの手数料15%は、空室率何%分の保険なのか|損益分岐空室率4.1%と、10年で逆転する改定幅▲1.81ptを逆算

サブリース(家賃保証)の説明で必ず出てくるのが「保証率85%」という数字です。満室想定賃料の85%が毎月振り込まれ、空室が出ても金額は変わらない。差額の15%が、サブリース会社の取り分になります。

このとき多くの人が、こう考えます。「15%も取られるが、空室率が15%を超えるようなエリアなら元は取れる」。

これは間違いです。比較対象が正しくないからです。自主管理(管理会社への委託)を選んだ場合、手元に残るのは「満室想定賃料 −空室損失」ではありません。そこからさらに管理委託料、退去のたびの原状回復と広告料、滞納損失が引かれます。サブリースはこれらも一緒に引き受けています。

そこでこの記事では、「保証率85%は、自主管理の空室率何%と釣り合うのか」を逆算しました。あわせて、免責期間・保証賃料の改定・DSCR・出口価格まで条件を動かし、どこで判断が反転するのかを検証しています。

この記事で検証したこと

  • サブリースと自主管理の損益分岐空室率を、保証率・平均入居年数・入替コストの3条件で逆算
  • 入替時の免責期間が、分岐点を何ポイント動かすか
  • 単年ではなく10年累計で見たとき、保証賃料の改定幅がどこを超えると逆転するか
  • DSCRで見たときの返済耐性の差と、改定が入ったときの落ち方
  • 還元利回りを一定としたときの、収益価格(出口)への影響

使用したデータの種類は以下のとおりです。RE-AIの診断実績データは使用していません。

区分

内容

公開データ

平均居住期間(日管協短観)、サブリース契約に関する制度・規制(国土交通省)

設定値

管理委託料率、滞納損失率、入替1回あたりコスト、共通運営費率

シミュレーション

損益分岐空室率、10年累計手取り、DSCR、収益価格指数(すべて下記の条件で計算)

前提条件──何を固定し、何を動かしたか

この分析では物件価格を設定していません。サブリースの損得は物件価格ではなく「満室想定賃料に対して何%が手元に残るか」で決まるためです。すべての数値は満室想定年間賃料を100とした指数で計算しています。読者が自分の物件に当てはめる場合は、満室想定年間賃料を掛けるだけで金額になります。

固定した条件

項目

設定

根拠・考え方

管理委託料

実収賃料の5%

自主管理側のみ発生。一般的な集金管理の水準

滞納の最終損失

実収賃料の1%

自主管理側のみ。回収不能となった分のみを計上

入替1回あたりコスト

月額賃料2.5ヶ月分

原状回復の貸主負担分+広告料(AD)。1.5・3.5ヶ月分でも検証

平均入居年数

4年1ヶ月

日管協短観の全体平均。3年3ヶ月・5年1ヶ月でも検証

共通運営費

満室想定賃料の15%

公租公課・損害保険・共用光熱費・清掃・小修繕・修繕積立

大規模修繕

比較から除外

国土交通省がサブリースでもオーナー負担と明記。両方式に共通のため

動かした条件

  • 保証率:80%・85%・90%
  • 自主管理の空室率:0〜20%
  • 平均入居年数:3年3ヶ月・4年1ヶ月・5年1ヶ月
  • 入替1回あたりコスト:1.5・2.5・3.5ヶ月分
  • 入替時の免責期間:0・1・2ヶ月
  • 保証賃料の改定幅:2年ごとに0〜5pt
  • 金利:1.5〜3.5%

計算式は次のとおりです。

  • 自主管理の手取り賃料率 = (1−空室率)×(1−管理料5%−滞納1%) −(年間退去率×入替コスト月数÷12)
  • 年間退去率 = 1 ÷ 平均入居年数
  • サブリースの手取り賃料率 = 保証率 −(年間退去率×免責月数÷12)
  • NOI率 = 手取り賃料率 − 共通運営費15%

検証1:自主管理側で、空室以外に11.5%が消えている

まず、自主管理を選んだ場合に満室想定賃料からいくら引かれるのかを分解します。平均入居年数4年1ヶ月、入替コスト2.5ヶ月分、空室率8%のケースです。

項目

満室想定賃料比

年間賃料624万円の場合

満室想定賃料

100.00%

624.0万円

空室損失(8%)

−8.00%

−49.9万円

管理委託料(実収賃料の5%)

−4.60%

−28.7万円

滞納の最終損失(実収賃料の1%)

−0.92%

−5.7万円

入替コスト(年0.245回×2.5ヶ月分)

−5.10%

−31.8万円

手取り賃料

81.38%

507.8万円

※624万円は8戸×月額6.5万円×12ヶ月の想定です。地方・郊外の単身向け木造一棟アパートを念頭に置いていますが、指数で計算しているため他の規模でも同じ結論になります。

注目すべきは、空室損失8%を除いても10.62%が消えている点です。うち5.10%は入替コストで、これは空室率の中に含まれていません。空室率は「募集期間中に賃料が入らない損失」であり、原状回復と広告料は別途出ていく現金だからです。

この入替コストは平均入居年数に強く依存します。

平均入居年数

年間退去率

入替1.5ヶ月分

入替2.5ヶ月分

入替3.5ヶ月分

3年3ヶ月(単身平均)

0.308回/年

3.85%

6.41%

8.97%

4年1ヶ月(全体平均)

0.245回/年

3.06%

5.10%

7.14%

5年1ヶ月(ファミリー平均)

0.197回/年

2.46%

4.10%

5.74%

単身向けで広告料が厚いエリアなら、入替コストだけで年間9%近くになります。これはサブリースの手数料15%の6割に相当する規模です。退去1回あたりの費用の内訳については、「空室率5%」の収支計算は年CFを46%過大に見せるで別途検証しています。

検証2:損益分岐空室率を逆算する

自主管理の手取り賃料率とサブリースの保証率が一致する空室率を求めます。この空室率を上回るエリアであれば、サブリースのほうが手取りが多くなります。

保証率85%の場合

平均入居年数

入替1.5ヶ月分

入替2.5ヶ月分

入替3.5ヶ月分

3年3ヶ月

5.5%

2.8%

0.0%

4年1ヶ月

6.3%

4.1%

2.0%

5年1ヶ月

7.0%

5.2%

3.5%

保証率80%の場合

平均入居年数

入替1.5ヶ月分

入替2.5ヶ月分

入替3.5ヶ月分

3年3ヶ月

10.8%

8.1%

5.3%

4年1ヶ月

11.6%

9.5%

7.3%

5年1ヶ月

12.3%

10.5%

8.8%

保証率90%の場合

平均入居年数

入替1.5ヶ月分

入替2.5ヶ月分

入替3.5ヶ月分

3年3ヶ月

0.2%

成立しない

成立しない

4年1ヶ月

1.0%

成立しない

成立しない

5年1ヶ月

1.6%

成立しない

成立しない

「成立しない」とは、空室率0%(=一度も空かない)でも自主管理がサブリースの手取りに届かないことを意味します。

結果は直感と逆でした。保証率85%の損益分岐空室率は4.1%(平均入居年数4年1ヶ月・入替2.5ヶ月分)です。「15%も取られる」という感覚に対して、実際に釣り合う空室率は4%台にすぎません。差の約11ポイントは、自主管理を選んでも管理委託料・入替コスト・滞納として出ていく費用だからです。

保証率90%にいたっては、入替コストが2.5ヶ月分以上かかる物件では自主管理側がどう頑張っても追いつきません。

ただしこれは「保証賃料が下がらなければ」という条件付きの結論です。ここから先が本題になります。

検証3:免責期間を入れると、分岐点は2.2pt動く

国土交通省は、サブリース事業に係る規制の解説の中で、「新築当初の数ヶ月間の借り上げ賃料の支払い免責期間があることを説明しない行為」を、賃貸住宅管理業法第29条が禁じる事実不告知の具体例として挙げています。免責期間は新築時だけでなく、入居者が退去して次が決まるまでの期間について設定されている契約もあります。

入替のたびに免責1ヶ月が発生する契約では、表示上の保証率と実際に受け取る金額が乖離します。

平均入居年数

表示保証率

免責1ヶ月/回の実効保証率

免責2ヶ月/回の実効保証率

3年3ヶ月

85.0%

82.44%

79.87%

4年1ヶ月

85.0%

82.96%

80.92%

5年1ヶ月

85.0%

83.36%

81.72%

実効保証率で損益分岐空室率を引き直すと、平均入居年数4年1ヶ月・入替2.5ヶ月分のケースで4.1%から6.3%へ、2.2ポイント上昇します。免責1ヶ月という一行の条項が、判断の分岐点を2.2ポイント動かすということです。

免責期間の有無と月数は、重要事項説明書の記載事項に含まれています。契約前に確認できる情報なので、保証率だけを見て比較しないことが重要です。契約前に確認すべき項目全体については、サブリース契約のリスクとは?家賃保証が減額される仕組みと確認ポイントにまとめています。

検証4:単年ではサブリース有利、10年では改定幅次第で逆転する

ここまでは単年の比較です。しかしサブリース契約には保証賃料の改定条項があり、国土交通省も「将来の家賃減額リスクがあること」を告げずに勧誘する行為を禁止行為の具体例としています。改定幅を動かして10年累計を見ます。

シナリオ

10年累計(指数)

10年目の単年

賃料624万円の場合の10年累計

自主管理:空室率8%で横ばい

813.8

81.4

5,078万円

自主管理:空室率5%→14%へ悪化

799.7

75.7

4,990万円

サブリース:85%据置

850.0

85.0

5,304万円

サブリース:85%/2年ごと▲2.5pt

800.0

75.0

4,992万円

サブリース:85%/2年ごと▲5pt

750.0

65.0

4,680万円

※自主管理の悪化シナリオは空室率5%から毎年1ポイントずつ上昇し10年目に14%。サブリースの改定は2年ごとに保証率を引き下げ、▲2.5ptなら10年目に75%、▲5ptなら10年目に65%となります。

ここが転換点です。2年ごとの改定幅が▲1.81ptを超えると、10年累計でサブリースが自主管理(空室率8%横ばい)に逆転されます。比較対象を「空室率が5%から14%へ悪化していく自主管理」にしても、逆転ラインは▲2.52ptです。

▲1.81ptというのは、2年ごとに保証率が85%→83.2%→81.4%と下がっていく程度の改定です。決して極端な想定ではありません。単年で見れば22.6万円(624万円の物件で530.4万円−507.8万円)サブリースが有利でも、10年で見ると小幅な改定の積み重ねで足元がひっくり返ります。

サブリースの本質は「空室リスクの移転」ですが、移転できているのは単年の変動リスクであって、中長期の水準低下リスクではないということです。賃料水準そのものが下がる局面では、改定を通じてオーナー側へ戻ってきます。

検証5:DSCRでは安全側に見えるが、改定で一気に崩れる

融資を受けている場合、手取りの多寡だけでなく返済耐性が問題になります。表面利回り8.0%・LTV90%・元利均等30年という条件で、DSCRを比較しました。

金利

返済比率※

自主管理 空室8%

SL 保証85%

SL 85%+免責1ヶ月

SL 保証75%へ改定後

1.5%

46.6%

1.42

1.50

1.46

1.29

2.0%

49.9%

1.33

1.40

1.36

1.20

2.5%

53.3%

1.24

1.31

1.27

1.12

3.0%

56.9%

1.17

1.23

1.19

1.05

3.5%

60.6%

1.09

1.15

1.12

0.99

※返済比率=年間返済額÷満室想定年間賃料

DSCR1.2を割り込む金利を逆算すると、次のようになります。

方式

NOI率

DSCR1.2を割る金利

自主管理 空室率8%

66.38%

2.78%

自主管理 空室率15%

59.80%

1.99%

サブリース 保証85%

70.00%

3.19%

サブリース 保証85%+免責1ヶ月

67.96%

2.96%

サブリース 保証80%

65.00%

2.62%

サブリース 保証75%

60.00%

2.02%

保証率85%が維持されるなら、サブリースのほうが金利耐性は0.41ポイント高い(3.19%対2.78%)という結果になりました。収入が固定されるぶん、DSCRの数値も安定します。

問題は落ち方です。保証率が85%から75%へ改定されると、DSCR1.2を割る金利は3.19%から2.02%へ1.17ポイント低下します。金利上昇と保証賃料の改定は、賃貸市場の悪化局面で同時に起きる可能性があります。そして保証賃料の改定はオーナー側がコントロールできません。自主管理の空室率悪化なら、リフォームや募集条件の見直しで手を打てますが、改定交渉にはそれがありません。

DSCRの水準そのものの意味と目安については不動産投資のDSCRとは?1.2を下回ると融資が厳しくなる理由と計算例を、金利と空室率が同時に悪化した場合の一般的なキャッシュフローへの影響は金利上昇×空室率、同時に悪化したらキャッシュフローはどこまで減る?を参照してください。

今回は表面利回り8.0%・LTV90%・30年という条件で計算していますが、実際の借入額・金利・返済期間によってDSCRは変わります。自分の条件で確認したい場合は、DSCRを自分のNOI・融資条件で計算するで、目標DSCRを下回る金利まで含めて試算できます。

検証6:出口(収益価格)はどう変わるか

売却時、収益還元法で価格を評価する買主は、サブリース契約が付いた物件の収入を保証賃料ベースで見ます。還元利回りを一定としたときの収益価格の指数は次のとおりです。

方式

NOI率

収益価格指数(自主管理・空室5%=100)

自主管理 空室率5%

69.20%

100.0

自主管理 空室率8%

66.38%

95.9

自主管理 空室率12%

62.62%

90.5

サブリース 保証85%

70.00%

101.2

サブリース 保証85%+免責1ヶ月

67.96%

98.2

サブリース 保証80%

65.00%

93.9

サブリース 保証75%

60.00%

86.7

保証率85%が維持されていれば、収益価格は自主管理(空室率5%)とほぼ同等です。しかし75%まで改定された状態で売却すると、同じ還元利回りでも収益価格は13.3%低くなります

さらに実務上は、この指数だけでは捉えられない要素が2つあります。ひとつは、買主がサブリース契約を承継せざるを得ない場合、契約解除にオーナー側からの正当事由が必要になる点です(国土交通省も、オーナーからの解約には借地借家法上の正当事由が必要であることを説明しない行為を禁止行為の例に挙げています)。もうひとつは、そのぶん買主が要求する還元利回りが高くなる可能性がある点です。両方が働けば、上表の86.7という数字よりさらに下振れします。

収益還元法そのものの計算方法は収益物件の価格査定は何を見る?収益還元法・取引事例比較法・原価法の使い分けで解説しています。

結果から分かること

  1. 「手数料15%=空室率15%分の保険」は成り立たない。保証率85%の損益分岐空室率は4.1%(平均入居年数4年1ヶ月・入替2.5ヶ月分)。差の約11ポイントは、自主管理でも発生する管理委託料・入替コスト・滞納である。
  2. 単年の比較ではサブリースが有利になりやすい。空室率8%の自主管理に対し、保証率85%なら満室想定賃料の3.6%分(624万円の物件で年22.6万円)多い。
  3. 免責期間は分岐点を2.2ポイント動かす。入替のたびに免責1ヶ月がつく契約では、実効保証率は82.96%、分岐空室率は6.3%になる。
  4. 10年で見ると、2年ごと▲1.81ptを超える改定で逆転する。これは極端な改定幅ではない。サブリースが移転しているのは単年の変動リスクであり、中長期の賃料水準低下リスクではない。
  5. DSCRは安定するが、崩れるときは一気に落ちる。保証率85%維持なら金利耐性は自主管理より0.41pt高いが、75%へ改定されると1.17pt低下する。しかも改定はオーナー側がコントロールできない。
  6. 出口では改定後の保証賃料が価格に直結する。75%まで下がった状態での売却は、還元利回り一定でも収益価格が13.3%低い。

投資判断への使い方

この分析は「サブリースは損か得か」に一つの答えを出すものではありません。判断軸が複数あることを示しています。

比較すべきは保証率と空室率ではなく、手取り賃料率どうし。提示された保証率に対して、自分が想定するエリアの空室率だけでなく、平均入居年数と入替1回あたりのコストを入れて手取り賃料率を計算してください。単身向けで広告料が厚いエリアほど、サブリースの相対的な不利は小さくなります。

単年ではなく、想定保有期間の累計で見る。今回の条件では逆転ラインが2年ごと▲1.81ptでした。重要事項説明書で改定の頻度・上限・協議の枠組みを確認し、想定される改定幅で累計を引き直すべきです。改定に上限がない契約では、単年の有利さは判断根拠になりません。

免責期間と原状回復の費用負担を、保証率と同じ重さで確認する。免責1ヶ月は実効保証率を2.04ポイント下げます。また国土交通省は、原状回復費用がオーナー負担になる場合があるにもかかわらず全額事業者負担と伝える行為を不実告知の例として挙げています。原状回復がオーナー負担の契約であれば、今回の計算でサブリース側に入替コストを加算する必要があり、有利不利は大きく変わります。

出口の時期を、保証賃料の改定スケジュールと合わせて考える。改定直後に売却するか、改定前に売却するかで収益価格が変わります。保有期間と出口の関係については出口利回りが1%上がるとIRRはどこまで落ちるか|保有5年・10年・15年・20年で検証もあわせて確認してください。

なお、今回のように空室率・管理コスト・入替コスト・金利・出口利回りを同時に動かすと、確認すべき項目は表計算だけでは急速に増えます。空室率と運営費を変えたときの手取りとNOIを自分の条件で確認したい場合は、キャッシュフロー計算機で年間・月間の手残りを試算することができます。物件全体を収益性・価格査定・融資・リスク・出口の各面から確認したい場合は、RE-AIの診断でまとめて確認できるよう設計しています。

この分析で分からないこと

  1. 個別契約の条項。免責期間の月数、改定の頻度と上限、原状回復と大規模修繕の費用分担、中途解約時の違約金は契約ごとに異なります。今回は代表的な設定で計算しています。
  2. 実際の改定がどの幅で行われるか。▲1.81ptという逆転ラインは計算上の値であり、個別の契約でどの程度の改定が行われるかを予測するものではありません。
  3. 自主管理側の運営力。同じエリア・同じ物件でも、募集条件の設定やリフォームの巧拙で空室率と入居年数は変わります。今回は平均値を使っています。
  4. サブリース会社の信用力。保証賃料は会社が支払えることが前提です。事業継続性は今回の計算に含まれていません。
  5. 税務上の差。両方式で経費計上のタイミングが異なる場合がありますが、今回は税引前で比較しています。
  6. 相関と因果。サブリースを選んだ物件と自主管理の物件では立地や築年の分布が異なる可能性があり、実績の差がそのまま方式の差とは言えません。

まとめ

サブリースの保証率85%は、空室率15%分の保険ではありません。自主管理を選んでも管理委託料・入替コスト・滞納で約11ポイントが消えるため、単年の損益分岐空室率は4.1%です。この意味で、手数料の水準そのものは多くの人が思うほど割高ではありません。

一方で、10年の累計で見ると評価は変わります。2年ごとに▲1.81ptを超える保証賃料の改定が入れば、空室率8%の自主管理に逆転されます。DSCRの余裕も、保証率が10ポイント下がるだけで金利耐性が1.17ポイント縮みます。出口では、改定後の保証賃料がそのまま収益価格に反映されます。

つまりサブリースは、単年の収益性では説明がつくが、改定条項の設計しだいで中長期の結論が反転する仕組みです。判断材料は保証率ではなく、免責期間・改定の頻度と上限・費用分担・解約条件の4点にあります。

参考資料・出典

情報確認日:2026年8月21日

管理委託料率・滞納損失率・入替1回あたりコスト・共通運営費率は、本記事の分析のために設定した条件です。実測値ではありません。DSCR・収益価格指数・10年累計の各数値は、上記の設定条件にもとづく試算結果であり、特定の物件やサブリース契約の収支を示すものではありません。

管理と空室対策の全体像は収益物件の管理会社選びと空室対策|キャッシュフローを守るための完全ガイドに、滞納が発生した場合のキャッシュフローへの影響は家賃滞納が起きたらどうする?対応の流れと、収益物件のキャッシュフローへの影響を試算にまとめています。

本記事は投資判断の参考情報であり、投資助言ではありません。実際の契約内容の判断にあたっては、重要事項説明書の確認と、必要に応じて弁護士・税理士等の専門家への相談を推奨します。

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この記事を書いた人

鈴木基公

鈴木基公

RE-AI開発者・不動産投資分析サービス運営者

不動産投資収益物件分析融資分析出口戦略

1件の物件を買うか判断するために、4時間。 場合によっては、答えが出るまで何日もかかる。 その間にも、良い物件は他の投資家に買われていきます。 「分析に時間を使うのではなく、判断に時間を使うべきではないか。」 この疑問から開発したのが「RE-AI」です。 数時間かかっていた分析をAIがサポートし、投資家が本来やるべき『比較・現地調査・意思決定』に時間を使える環境を目指しています。

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