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収益性・収支

「家を買うのは資産形成になる」は本当か。賛成派と反対派、それぞれの根拠

「家を買うのは資産形成になる」は本当か。賛成派と反対派、それぞれの根拠

「家賃を払い続けるのはもったいない。だから家を買う」。この言葉を、一度は聞いたことがあるはずです。では、持ち家は本当に資産として機能するのでしょうか。結論を急がず、賛成派と反対派、それぞれの根拠を並べて考えてみます。

そもそも、なぜこの議論は終わらないのか

持ち家か賃貸かという議論は、何十年も前から繰り返されてきました。終わらない理由は単純で、どちらの立場にも一定の根拠があるからです。ここでは、仮に物件価格4,500万円、頭金500万円、借入4,000万円、金利1.5%、返済期間35年の新築マンションを例に、単純化した試算とともに両方の言い分を見ていきます。

賛成派の言い分:持ち家は資産形成になる

元利均等返済、金利1.5%、35年で試算すると、総返済額はおよそ4,940万円程度になります(簡略化した試算であり、実際の金利や条件により変動します)。一方、同条件の物件を月15万円で借り続けた場合、35年間の総支払額は6,300万円です。単純比較では、持ち家のほうが総支払額を抑えられ、しかも完済後は住居という資産が手元に残ります。

さらに、完済後は住居費の負担が大きく下がるため、老後の生活設計がしやすくなるという声もあります。売却や賃貸への転用という選択肢が生まれる点も、賛成派が重視するポイントです。

「家を買うのは資産形成になる」は本当か。賛成派と反対派、それぞれの根拠

反対派の言い分:持ち家は資産ではなく負債に近い

一方で、反対派はこう考えます。建物部分の資産価値について、国税庁が定める法定耐用年数では木造住宅は22年とされ、会計上はこの期間で取得価格の大部分を減価償却できます(国税庁タックスアンサーNo.5404「中古資産の耐用年数」)。実勢の売買価格も、これに近い速度で新築時から下落していくケースが一般的です。マンション(RC造、法定耐用年数47年)であっても、立地や築年数によっては当初の想定より値下がりすることがあります。築年数によって建物の資産価値や収支がどう変わるかは、木造アパートの築5年・15年・25年・35年を融資期間と出口利回りまで含めて比較した記事で具体的な数値を試算しています。

さらに、持ち家には固定資産税(標準税率1.4%、固定資産税評価額2,000万円の建物・土地なら仮に年15万円程度、35年でおよそ525万円)、修繕積立金、将来的なリフォーム費用など、保有し続ける限りかかり続けるコストがあります。頭金の500万円を仮に投資に回していれば得られたはずの運用益も、見えないコストとして存在します。加えて、転勤や家族構成の変化があっても、住宅ローンが残っていると身動きが取りにくくなる、という流動性の低さも見逃せません。

「家を買うのは資産形成になる」は本当か。賛成派と反対派、それぞれの根拠

収益物件との違いから見えてくること

RE-AIが対象にしているのは、こうした持ち家ではなく、家賃収入を得るための収益不動産です。収益物件であれば、家賃収入というキャッシュフローが生まれるため、資産形成としての性格がより明確になります。とはいえ、収益物件にも空室リスクや修繕費、金利上昇といった不確実性があり、「買えば必ず資産になる」とは言い切れません。表面利回りの高さだけで判断して収支が崩れた事例は、「高利回り物件で失敗した」は、本当に利回りのせいなのかで確認できます。

持ち家であっても収益物件であっても、共通しているのは「数字を単純化しすぎない」ことの大切さです。総支払額や利回りといった一つの指標だけで判断するのではなく、保有コスト、流動性、ライフプランの変化まで含めて考える必要があります。収益物件の購入を検討する際、35年間のキャッシュフローやストレステストを一度数字で確認しておきたい場合は、RE-AIの無料診断で物件情報を入力し、判断材料の一つとして使う方法もあります。

「持ち家ではなく収益物件での資産形成を検討してみたい」と感じた場合、何から確認すればよいか迷う方も多いはずです。物件選びから融資相談、収支計算、契約前のリスク確認までの流れは不動産投資初心者完全ガイドで順を追って整理しています。また、住宅ローンと不動産投資ローンでは審査で見られる基準や金利の考え方が大きく異なるため、住宅ローンと不動産投資ローンの違いとはもあわせて確認しておくと、持ち家の資金計画との違いがより具体的に見えてきます。

まとめ

持ち家が資産になるか負債に近いかは、金利、物件の立地、保有期間、そして何を「資産」と定義するかによって変わります。どちらか一方が絶対的に正しいという話ではありません。

あなたは、持ち家と賃貸、どちらが自分にとっての資産形成になると考えますか。総支払額だけでなく、流動性やライフプランの変化まで踏まえて、一度考えてみてください。

よくある質問(FAQ)

住宅ローンを完済すれば、持ち家は確実に資産になりますか?

完済すれば住居費の負担が下がる点は確かにメリットですが、「確実に資産になる」とは言い切れません。建物部分の価値は法定耐用年数に近い速度で下落していく傾向があり、売却時に残るのは主に土地の価値と、築年数・立地条件に応じた建物の実勢価格です。完済後も固定資産税やリフォーム費用はかかり続けるため、総支払額だけでなく保有コストまで含めて確認する必要があります。

持ち家と収益物件を両方持つことはできますか?

仕組み上は可能ですが、住宅ローンと不動産投資ローンは審査で見られる基準が異なり、先に住宅ローンを組んでいると不動産投資ローンの借入可能額に影響することがあります。両方を組む際の注意点は住宅ローンと不動産投資ローンの違いとはで解説しています。

参考資料・出典

  • 国税庁タックスアンサー No.5404「中古資産の耐用年数」(木造住宅用建物の法定耐用年数22年)
  • 総務省「固定資産税」(固定資産税評価額に対する標準税率1.4%)

本記事は一般的な情報提供を目的とした試算例であり、特定の物件の購入や賃貸を推奨するものではありません。実際の判断は、金利条件や個々の資産状況を踏まえ、必要に応じてファイナンシャルプランナーや不動産の専門家にご相談ください。情報確認日:2026年10月21日。

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この記事を書いた人

鈴木基公

鈴木基公

RE-AI開発者・不動産投資分析サービス運営者

不動産投資収益物件分析融資分析出口戦略

1件の物件を買うか判断するために、4時間。 場合によっては、答えが出るまで何日もかかる。 その間にも、良い物件は他の投資家に買われていきます。 「分析に時間を使うのではなく、判断に時間を使うべきではないか。」 この疑問から開発したのが「RE-AI」です。 数時間かかっていた分析をAIがサポートし、投資家が本来やるべき『比較・現地調査・意思決定』に時間を使える環境を目指しています。

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