
無料診断は「登録不要、物件ページの情報だけで診断できます」と案内していました。ところが実際のSTEP1フォームは必須14項目、スマホでは画面4.5枚分あり、その中には物件概要書を開かないと出てこない数字も含まれていました。
無料診断のSTEP1フォームで、必須項目を14個から11個に減らしました。建ぺい率・容積率・自己資金額の3項目を任意入力に変更し、あわせて物件名・満室想定年収・周辺環境(大学や病院などの有無を答える9個のチェックボックス)を「さらに精度を上げる(任意)」というアコーディオンに格納しました。
iPhone SE(375×667)で計測したところ、フォームのページ高さは2976pxから1845pxに、画面換算で4.5枚分から2.8枚分になりました。最初から見える入力欄は17個から12個、チェックボックスは9個から0個です。
STEP1を設計した当初は、入力項目を増やすほど診断の精度が上がると考えていました。建ぺい率や容積率のような不動産の基礎情報も、当然必須にすべきだと思っていました。
「物件ページの情報だけで診断できます」と案内している一方で、実際のフォームには物件概要書を別途開かないと埋まらない項目が必須として残っていました。案内している負担と、実際にユーザーへ課している負担が一致していませんでした。
建ぺい率・容積率は不動産の基礎情報としてよく聞かれる数字で、必須にすること自体に違和感はありませんでした。ただし「よく聞かれる情報だから必須にする」という判断と、「RE-AIの診断で実際に使っているから必須にする」という判断を、区別できていませんでした。
建ぺい率・容積率について、診断を構成する6体の専門AIのどの計算にも参照されていないことを確認しました。この2項目は型定義・PDFからの自動取得・既定値としてしか使われておらず、値を30/60から100/1300まで振っても総合点・評価額・キャッシュフローが一切変わらないことをテストコードで固定しました。
自己資金額についても、未入力の場合に「販売価格の15%+諸費用7%」で自動推定する仕組みがすでに存在していました。物件を初めて見るユーザーが、診断を試す前に即答できる数字ではないと判断し、任意にしました。
建ぺい率・容積率・自己資金額を任意化し、必須項目を14から11に減らしました。残りの任意項目は開閉式のセクションにまとめ、初期状態は閉じたままにしています。実装では、閉じた際にDOMごとアンマウントすると入力途中の値とフォームの登録情報が消えてしまうため、CSSでの表示切り替えに留めました。
なお、「5項目だけでとりあえずのスコアを出す」という案も検討しましたが、採用しませんでした。土地面積・建物面積を推定値に置き換えると、原価法にもとづく積算価格の計算が実質的に成立しなくなり、診断の柱の一つが崩れてしまうためです。必須項目の数自体はこれ以上減らさず、見せ方だけを変える判断にしました。
「入力項目が多いほど精度が上がる」という前提と、「その項目が実際に計算へ使われているか」は別の問題でした。建ぺい率・容積率のように、型としては存在していても計算に一切効いていない項目を必須にしても、ユーザーの負担が増えるだけで、診断の正確さには寄与していませんでした。
一方で、周辺環境のチェックボックス9個のように、削除せずアコーディオンの中に残した項目もあります。これらは空室率の推定に反映される項目で、建ぺい率・容積率とは違い診断に効いているためです。「使われていないから消す」のか「使われているが後回しにする」のかは、項目ごとに実際の参照先を確認しないと判断できませんでした。
今回の変更で診断の完了率がどう変わったかは、この記事の時点ではまだ確認できていません。ページ高さや表示項目数は開発記録として計測できましたが、実際のユーザー行動としての完了率・離脱率の変化は別途追う必要があります。また、今回残した必須11項目についても、建ぺい率・容積率と同じように「本当に結果へ効いているか」を1つずつ確認できているわけではありません。
完了率・離脱率の計測結果を踏まえて、残した11項目についても同様の検証を行う予定です。
今回変更した無料診断のフォームは、現在の無料診断ページから実際に試せます。
この記事を書いた人

鈴木基公
RE-AI開発者・不動産投資分析サービス運営者
1件の物件を買うか判断するために、4時間。 場合によっては、答えが出るまで何日もかかる。 その間にも、良い物件は他の投資家に買われていきます。 「分析に時間を使うのではなく、判断に時間を使うべきではないか。」 この疑問から開発したのが「RE-AI」です。 数時間かかっていた分析をAIがサポートし、投資家が本来やるべき『比較・現地調査・意思決定』に時間を使える環境を目指しています。

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