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7体のAIによる収益物件評価プラットフォーム

RE-AI開発

会員登録より先に、無料診断を1件体験できるようにした理由RE-AI開発日誌 #007

会員登録より先に、無料診断を1件体験できるようにした理由RE-AI開発日誌 #007

以前のRE-AIは、AI診断を1件試すだけでも会員登録が必要でした。登録しないとそもそも何が見られるサービスなのか分からない設計です。2026年7月末、この順番を逆にしました。登録不要で1件だけ無料診断できるようにし、代わりに「どこまで見せてどこから隠すか」という境界の設計に時間をかけました。

何を変えたのか

2026年7月7日時点のRE-AIは、匿名の訪問者がSTEP1診断のボタンを押すと、背景をぼかしたモーダルが出て登録・ログインを求める仕様でした。診断そのものを体験する前に、登録という意思決定を迫っていたことになります。

7月28日、この前段を外しました。物件情報を入力するだけで、登録もクレジットカード登録もせずにAI診断を1件その場で実行できる導線を追加しています。ただし「無料で全部見せる」わけではなく、総合評価・6専門AIの点数・AIの結論・主要リスク1件・価格の目安までを公開し、35年キャッシュフローやIRR、DSCR、各AIの根拠、価格算出の内訳といった詳細分析は登録後の閲覧に限定しました。

以前はどう考えていたか

この開発日誌の1本目2本目で書いた通り、RE-AIは公開直後の反応がほぼゼロで、「良いAIを作れば自然に売れる」という考えが甘かったと認識していました。ただ、その反省を踏まえてもなお、しばらくは「まず登録してもらってから中身を見てもらう」設計を変えていませんでした。登録フォームの先に本当に価値があるなら、多少の手間はかけてもらえるはずだという前提があったからです。

何が問題だったのか

登録前の訪問者にとって、RE-AIが「7体のAIが物件を診断する」と説明されていても、実際にどんな結果が返ってくるかは登録するまで分かりません。診断精度も、画面の見せ方も、体験する前に信じてもらう必要がある設計でした。これは、まさに「良いAIを作れば売れる」を裏側から支えていた設計そのものだったとも言えます。

なぜ変更したのか

7月28日のコミットメッセージには「登録・カード登録の前に価値を体験してもらうため」と明記しています。判断の順序を、登録してから価値を確認するのではなく、価値を確認してから登録するという順番に変えました。

実際にどう改善したのか

実装では、公開する情報と隠す情報の境界をサーバー側だけで判定するようにしました。診断処理自体をサーバー側で実行し、ロック対象のデータ(35年CF・IRR・DSCR・各AIの根拠・価格根拠)を登録前ユーザーのブラウザへ一切送らない構成です。IDを知っているだけの第三者が結果を覗けないよう、所有者以外のアクセスには403、期限切れには410を返すようにしています。

乱用対策として、匿名セッション(署名付きJWTのHTTP-only Cookie)ごとに1件、同一IPハッシュごとの上限、レート制限、連打防止の排他ロックを組み合わせました。IPアドレスは生のまま保存せず、ハッシュ化して保持しています。

登録時には、無料診断の結果をそのままアカウントへ引き継げるようにしました。ログイン済みかつ発行元の匿名セッションCookieを持つ場合のみ引き継げる仕組みで、同時アクセスで二重に引き継がれないよう、未引き継ぎであることを条件に更新をかけています。引き継いだ結果は再計算せず保存済みの内容をそのまま復元するため、登録前に見えていた点数と登録後の点数がずれることはありません。

あわせて管理画面に、LP閲覧から有料契約までの9段階・7つのコンバージョン率を確認できるファネルを追加しました。同一訪問者の重複を匿名セッション単位で除いて集計し、母数が0件の期間は「0%」ではなく「—」と表示するようにしています。段階を飛ばして到達した訪問者がいる場合、率が100%を超えることもありますが、実態を隠さないためにそのまま表示しています。

やってみて分かったこと

ファネルを計測し始めてから、1件制限やレート制限による拒否を、実際の診断失敗と区別せずに一律「失敗」として計測していたことに気づきました。制限による拒否は仕様通りの動作であって、AI診断そのものが落ちたわけではありません。本番の実測でも、制限に弾かれた2回が「診断失敗2件」として記録されていました。このままでは失敗数が実態より多く見え、開始から完了までのCVRが実際より悪化して見えるうえ、本当にAIの処理が失敗しているときのノイズにもなります。制御による拒否かどうかを判定する処理を加えて、計測から除外しました。

この経験から、機能を作るときと、その機能を「測る」ときとでは、見なければいけない失敗の定義が違うと考えるようになりました。

まだ解決していないこと

公開する情報(総合評価・6AIの点数・結論・主要リスク1件・価格の目安)と、ロックする情報(35年CF・IRR・DSCR・根拠・価格内訳)の境界が、登録につながる最適な線引きなのかどうかはまだ検証できていません。何を見せて何を隠すかという判断は、「AIは買ってはいけない物件を見抜けるのか」という記事で書いた「AIに何を任せ、何を任せないか」という線引きとも近い話だと感じています。見せすぎれば登録の動機が弱まり、隠しすぎれば価値が伝わらないという、相反する力が働く設計だからです。また、この変更が登録率や有料契約率をどれだけ改善したかについては、比較できる公開可能な数値がまだありません。

次に試すこと

9段階のファネルを継続的に見て、どの段階での離脱が最も大きいかを確認していきます。特に「無料診断の結果を見た後、登録に進むかどうか」の段階の動きを重点的に追う予定です。

今回変更した無料診断の導線は、現在の無料診断ページから実際に確認できます。

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この記事を書いた人

鈴木基公

鈴木基公

RE-AI開発者・不動産投資分析サービス運営者

不動産投資収益物件分析融資分析出口戦略

1件の物件を買うか判断するために、4時間。 場合によっては、答えが出るまで何日もかかる。 その間にも、良い物件は他の投資家に買われていきます。 「分析に時間を使うのではなく、判断に時間を使うべきではないか。」 この疑問から開発したのが「RE-AI」です。 数時間かかっていた分析をAIがサポートし、投資家が本来やるべき『比較・現地調査・意思決定』に時間を使える環境を目指しています。

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