
AI総合コメントを速く表示するために、外部データが確定する前からClaudeに文章を書かせていました。あとから届いたデータで診断結果が変わっても、コメントだけ最初のまま残ることがありました。
RE-AIの診断結果画面には、数値によるスコアリングとは別に、7体の専門AIの判断を統合した「AI総合コメント」が表示される。この文章はAnthropic社のClaude APIを呼び出して生成している。2026年8月15日、このAI総合コメントを生成するタイミングを変更した。以前は、類似物件比較(国土交通省の実取引データ)・地価公示・ハザードマップという3つの外部データの取得と並行してClaudeへコメント生成を依頼していた。変更後は、この3つの外部データがすべて確定してから診断結果を1回だけ計算し直し、その結果をClaudeへ渡してコメントを生成するようにした。
2026年7月10日、診断ボタンを押してから結果が出るまでの体感速度を改善する変更を行っている。数値によるスコアリング自体は即座に表示できるが、AI総合コメントとAI価格交渉レポートはClaude APIの呼び出しに5〜9秒かかり、この待ち時間が体感を悪化させていた【開発記録】。この対策として、AI総合コメントをストリーミング表示にし、外部データの取得を待たずに生成を始めるようにした。当時は、早く文章が出始めることを優先する判断だった。
類似物件比較・地価公示・ハザードマップは、取得に時間がかかったり、取得できない場合がある外部データで、届いた時点で診断のスコアや前提条件を再計算する仕組みになっている。ところが、AI総合コメントは外部データの到着を待たずに生成を始めていたため、コメント生成中または生成完了後に外部データが届いて診断結果が変わっても、コメントの文章はそのまま更新されないことがあった。画面に表示されている数値と、AIコメントが説明している前提が食い違う状態が起こりうる作りだった。
今回の変更のコミットメッセージには、「以前はClaude生成と外部データ取得を並行していたため、後からスコア・判断が変わってもコメントだけが初回結果のまま残ることがあった」と記録している。無料診断ページと同じく、外部データを含めた最終結果を先に確定させ、その確定結果だけをClaudeに渡す方式に統一することにした。表示を速く始めることよりも、表示されている数字とコメントの内容が一致していることを優先する判断に変えたことになる。
変更後は、類似物件比較・地価公示・ハザードマップの3つの取得処理をまとめて待ち、すべて確定した時点で1回だけ最終的な診断結果を計算する。Claudeへコメント生成を依頼するのはその後で、ストリーミングによる逐次表示自体は維持した。あわせて、価格交渉レポートを生成する処理も、外部データ確定前には呼び出さないよう修正し、確定前の暫定価格をClaudeに渡さないようにした。診断結果と併せて履歴に保存するスナップショットも、最終ルール結果とその結果をもとに生成したAIコメントを同じタイミングでまとめて保存する形に変更している。この変更にあわせて、状態管理まわりのテストコードを154行追加した(8行削除)【開発記録】。
「体感速度を上げるために、取得できたところから順番に処理を始める」という設計は、それ自体は妥当な判断だったと考えている。ただし、AI総合コメントのように、複数の外部データすべてが前提になっている出力については、一部だけ先に処理を始めると、後から届いたデータとの整合性を個別に管理する必要が生まれる。今回は、外部データが全部そろってから一度だけ計算する形に戻すことで、その整合性の管理自体をなくした。
外部データの取得が遅れた場合、以前より結果全体が表示されるまでの時間は長くなる。今回の変更で体感速度がどの程度変わったかは、まだ計測できていない。速さと正確さのどちらを優先するかは、機能ごとに改めて判断が必要だと考えている。
まだ確認できていないのは、コメント表示までの体感速度が実際にどの程度変わったかという点だ。関連して、診断に使う外部データそのものの正確さについては、熊本の検証物件で、家賃単価が本来の5分の1になっていましたでも扱っている。診断精度という言葉の使い方については、診断精度98%は、書類を確認していなくても出せる数字でしたで書いた。今回の変更を反映した診断は、現在の無料診断から確認できる。
速く表示することを優先していたAI総合コメントの生成タイミングを、外部データが確定してからに変更した。画面に表示される数字とAIコメントの内容が食い違う可能性を減らすための変更で、体感速度への影響はまだ計測できていない。
この記事を書いた人

鈴木基公
RE-AI開発者・不動産投資分析サービス運営者
1件の物件を買うか判断するために、4時間。 場合によっては、答えが出るまで何日もかかる。 その間にも、良い物件は他の投資家に買われていきます。 「分析に時間を使うのではなく、判断に時間を使うべきではないか。」 この疑問から開発したのが「RE-AI」です。 数時間かかっていた分析をAIがサポートし、投資家が本来やるべき『比較・現地調査・意思決定』に時間を使える環境を目指しています。

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